方言
因島重井町の方言を集めるが、これがどこの地域まで広がるかは決めようがない。
い
イナ:(魚名)ボラの小さい時の名
う
うんまあ:おいしい。食べ物がうまい、美味しいこと。
用例:こりゃうんまあのう。(これはうまいですねえ)
「うんまあのう」
え
えらい:しんどいこと。
「ああ、えら。えらかった。そりょうするんはえらあのう。」小さい塊がテープ上に載っているもの。ピストル型のもので連続的に打って音を出した。陸上競技のピストルの弾状のもの。四角の紙の上にあり切って使った。
えんぼう:(農具)藁筵で作った容器。半分の高さのものを「芋えんぼう」と呼ぶ。イグリと呼ぶ人もいるが重井では言わない。茅で作ったものを「かやえんぼう」という。
お
おうく:天秤棒。2つで1組の荷物を担いで運ぶ。特に芋えんぼうに入れて運ぶ場合が多かった。2組で1荷(いっか)、1個では片荷(かたね)。芋えんぼうが3個あれば1荷片荷(いっかかたね)と言う。(参考)とんぎりおうく:先端が尖ったおうく。麦や藁の束ごと突き刺して運んだ。
おんまく:たくさん
「おんまく 食べる」
か
貝ほり:潮干狩りのこと
カイカキ:(農具)柄の先に三角形の鉄板のついた草取り、貝掘りに使う。
乾燥庫:(農業施設)葉タバコを乾燥させる土壁の建物。
こ
こぶる:畑の上を通りすぎていく
「こぶんな!」
こまで:(農具)柄の先に3本の棒のついた草取り具。鍬の小型のもの
さ
さかお:蛇の一種。毒蛇でなくごくありふれた蛇。
さかる:交尾する
「犬がさかっとった」「うさぎをさかららす」
さげる:潮が引いた状態。引くこと
「まだ、さぎょうる」「ようさげとる」
く
グロ:真ん中に棒を立て、その周りに稲藁、麦藁、除虫菊の茎を円柱状に重ねたもの。稲藁積みのこと。
す
ズガニ:淡水に住む毛ガニ
た
タンポ:干拓地の悪水をためる池。干潮時に樋門を開け排水する。潮回し、潮廻しが一般的か? 因島南部では潮待ち。
タンボラ:タンポの中にいるボラ
ち
ちんぼう:男性器のこと
ちんぼさし:(昆虫名)ミズカマキリのこと
て
てご:手伝うこと
「てごうする」
と
とらげる:片付ける、しまう
「タンスの中へとらげる」
や
やげろうしい:「野下郎しいか」?片付いていないこと。散らかっていること。
やなぎば:(農具)短い柄の先に柳葉状の金属のついたもの。種を蒔いたり、株を植えるときに細く掘るのに使う。
えんぼう
藁やカヤで作った丸い容器。コンテナの普及で使われなくなった。
藁のむしろ状のもので周囲が囲まれ底があるものが、普通はえんぼうと呼ばれた。
高さが低いものが「いもえんぼう」でサツマイモ等の運搬に用いられた。
おうく
天秤棒のこと。
おおがあら
重井川のこと。大河原か。
ぐろ
稲や藁を畑や空き地に積み重ねたもの。ただ置いているだけのものはグロとは呼ばない。中心に棒を立てその周りに丸く置いて円柱状に積み上げたもの。
稲わら積みのこと。稲と麦わらで作った。
げし
法面のこと。特に草が生えているところ。段々畑の上下の、石垣を積むべきところが、土のままで、草が生えているところをげしという。
さげる
潮が引くこと。干潮になること。
用例:潮が下げる。今下げている。下げ底、
なーらーがーら
一町田の中央を流れる小川。菜洗い河原が訛ったものとも。
じょうがた
漁師のこと。重井には漁師はいなかった。時々、家船がある期間滞在することがあった。その人たちを「じょう型」と呼んだ。
ちゃっちゃ船
発動機付きの農船のこと。発動機の音がちゃっちゃちゃっちゃ・・と聞こえたので。
ばあ
ばっかり
用例:雨ばあ降る。
はまじょう(浜場)
べった
子供では「メンコ」と呼ばれた丸や四角の紙ででき遊具。
大人では花札のこと。
へリーボート
フェリーボートのこと
むし
ゴカイ、アオムシのこと。魚釣りの餌。
もーやん
子守女のこと。時に男もいた。だいたいが子供。家に雇われていた。