坂本龍馬
海援隊規約
海援隊約規
凡嘗テ本藩(土佐)ヲ脱スル者
及佗(他)藩ヲ脱スル者、海
外ノ志アル者、此隊ニ入ル
運輸射利開柘(拓)投
機本藩ノ応援ヲ為ス
ヲ以テ主トス今後自他
ニ論ナク其志ニ従ッテ撰
なお、続きは以下のようになる。
入之凡隊中ノ事一切隊長ノ処分ニ任ス。敢テ或ハ違背スル勿レ。
若暴乱事ヲ破リ妄謬害ヲ引ニ至テハ隊長其死活ヲ制スルモ亦許ス。
凡隊中忠難相救ヒ困厄相護リ、義気相責メ条理相糺シ、若クワ独断果激、儕
輩ノ妨ヲ成シ、若クハ儕輩相推シ乗勢テ他人ノ妨を為ス、是尤慎ム可キ所敢
テ或犯ス勿レ。
凡隊中修業分課ハ政法、火技、航海、汽機、語学等の如キ其志ニ随テ執
之。
互ニ相勉励敢テ或ハ懈ルコト勿レ。
凡隊中所費ノ銭糧其の自営ノ功に取ル。亦互ニ相分配シ私スル所アル
勿レ。
若挙事用度不足、或ハ学科欠乏を致ストキハ隊長建議シ、出崎官ノ給弁
ヲ竢ツ。
右五則ノ海援隊約規、交法簡易、何ゾ繁砕ヲ得ン。モト是翔天ノ鶴其ノ飛
ブ所ニ任ス。豈樊中ノ物ナランヤ。今後海陸ヲ合セ号シテ翔天隊ト言ハン。
亦究意此ノ意ヲ失スル勿レ。
皇慶応三丁卯四月