ふるさとの史跡をたずねて(471)
十七番札所井戸寺(尾道市因島中庄町山口区)
高野聖というのはAIの用語で言えばエージェントである。
弘法大師の偽エージェントのうち、鉱山・土木の技術に長じた旅僧が崖の下を杖(この時代にはまだ同行二人とは書いていない)でトントンと叩き、ここを掘れば水が出る、と言って出来た井戸が全国に散在する弘法井戸である。
本四国にもその一つがあったので、その写し霊場の十七番は水場近くに設けられる。もし井戸がなくても後から作られたりする。そのうち本四国の話を当地の話だと聞きちがえる人がいると、新たな弘法大師伝説が生まれる。伝説というのは史実を語ったものではなく、作られた話が変化しながら伝わったものだと思えば良いだろう。
さて、十七番井戸寺に行くには県道大山トンネル線を越えて山口地区に行き、県道寄りの坂道を南へ登れば簡単に行き着く。近くに小川が流れているので、どこを掘っても井戸はできるだろうが、必要のないせいか井戸は見当たらない。
文・写真 柏原林造


