2022年6月5日日曜日

画本実語教


 中澤道二翁閲
画本実語教
浪花書肆 三書房梓

絵本実語教序
実の(能)処世に行わる事既に久し
童子是を読事その略に通じて
その精を遺す 盤石堅こうにして刀
鋸を施す事あたわずといへども是
を砕製する時は眼中に投したく

猶可也 炉甘石の如き製の以

眼中の雲翳を去るも細密の功

なり 此諸家伝註の権誉乎 今

此書通俗にして日用の切近なり

文字また簡にあらず堅にあらずといへ

ども 童子此を喜こび亦透徹し 易か


らず 是弁解の無くむばあるべから

づの所以也 今此解を閲するに

其説詳らかにして言外の義を拡め

和漢の人物を評論し 燦然として

義理再明也 加之 山水人物童舎

牛馬等を絵画を加へて其大略 



を示せり 巻を写て喋々として倦
ことなく沈潜反復する時は自其
味をしって其益を得るものあらん 学
智の二字等閑(なおざり)にする事なかれ
良鉄ありといへども鍛功を加へざれば
宝剣となることなく良璞(はく)ありといへ

ども玉人の手を経ざれば光明に
    人亦然り 学ばずれば才
智をなすことなし







唐土戦国の時斉の国

に晏嬰といえる智者あり