ふるさとの史跡をたずねて(451)
平山画伯スケッチポイント39(今治市大三島上浦町)
島の生活というものはおもしろいもので、いつも目にしている近くの島々でも、何かの理由がなければめったに訪ねることがない。そして一生訪ねない島の方が多いのである。
生口島の西北部で育った平山郁夫画伯にとって大三島は対岸の島で夕日の沈む島であった。だから対岸の地は幼い頃から多くの想像をかきたてたことであろう。
そういう意味では大三島でのスケッチは多いが、このスケッチポイント39「大三島上浦町 盛漁港」には特別の思いが込められたものだと思う。
しかし、海岸は遠くから見ると多くの夢を誘うが、実際にその場所に行くのは意外に難しい。幸いここまでくると、大久野島経由忠海行きのフェリー桟橋があって海辺に出られる。
残念ながら貨物船も漁船も停泊していなかったが、かすかに大久野島が見える。その向こうは画伯がかつて戦後通っていた旧制忠海中学校のあったところだから、こちらの方向を描く必然性があったのだろう。
( 写真・文 柏原林造)