2019年8月19日月曜日

3 電池

 
3-1 電池の原理

●●● 実験26 電池の原理 ●●●
          

実施日     年  月  日  曜日  限,場所(   教室)天気(   ),室温(  ),湿度(  %),気圧(  mmHg)班 (  班),共同実験者(                 )
    
目的  金属電極間の電位差を比較する。
準備 シャーレ,テスター
   ろ紙,1mol/硫酸,亜鉛,鉄片,銅片
方法    
 1. シャーレにろ紙を敷き,1mol/硫酸をろ紙が浸る程度に入れ,亜鉛,鉄,  銅の各片を入れる。     
 2. テスターで,二つの金属間の電圧(電位差)を測り,表に記入する。
         

金 属

亜鉛と銅

 鉄と銅 

亜鉛と鉄
                                                                                                                                                                                                                       

電位差

     

     

     

正 極

     

     

     

負 極

     

     

     


 電池……化学的エネルギーを電気的エネルギーに変える装置。
 電池の起電力……電池の両極間の電位差。


3-2 ボルタの電池
●●● 実験27 過電圧 ●●●        
          

実施日     年  月  日  曜日  限,場所(   教室)天気(   ),室温(  ),湿度(  %),気圧(  mmHg)班 (  班),共同実験者(                 )
目的 電池の原理を理解する。
準備 1mol/塩酸,亜鉛片,ビーカー(100),ビニル線付き銅電極
   蒸留水
方法
 1. ビーカーに塩酸を少量とり,これに蒸留水を加えて約20倍に薄める。この ビーカーの中へ亜鉛片を入れる。
 (観察)(水素は発生するだろうか)
 2. ビーカー中の亜鉛片に銅電極の先端を接触させる。
 (観察)(どのような変化が起こるだろうか)

考察
 1. 方法2.で,銅を接触させると何故気体が発生するのか考えよ。

参考
 過電圧:水素ガスが発生するときの過電圧は銅,カドミニウム,スズ,亜鉛,     水銀の順に大きくなる。
 分解電圧:電気分解において電解生成物を生じるのに必要な最小の電圧。
      約1.7V。 

●●● 実験28 ボルタの電池 ●●●        
          

実施日     年  月  日  曜日  限,場所(   教室)天気(   ),室温(  ),湿度(  %),気圧(  mmHg)班 (  班),共同実験者(                 )
目的  ボルタの電池をつくり,電池の原理を理解する。
準備 トールビーカー(200),テスター,モーター
   ラジオペンチ,亜鉛板,銅板,マッチ,ガスバーナー 
   1mol/硫酸,導線,3%過酸化水素水
方法 
 1. 200ビーカーに希硫酸を約75とり,これに,モーターに接続した銅板と  亜鉛板を浸す。 
  (観察
  

 2. 銅電極をひきあげ水洗後,導線をはずして,銅板の表面が黒色に変色するま で,バーナーの炎の中で焼く。
 3. 亜鉛板と焼いた銅板を電極としてモーターをつないで再び希硫酸の中に浸し  てモーターの回転する勢いを比較する。
  (観察
  

 4. モーターが消えたら過酸化水素水を銅板に沿わせて約10加える。
 5. テスターで起電力ならびに極性を測る。
  電位差     V ,正極:      負極:
  

 

 

           
結果

         

 方法1. 

 方法2. 

 方法3. 
         

モーターの勢い

       

       

       

銅板の表面のようす

       

       

       

考察
 1. なぜ,モーターの勢いは弱くなったのか。
                   
 2. 方法2.4.で起こった現象を説明せよ。

                
① ボルタの電池の構成。
                      
                      
                        亜鉛板と銅板を希硫酸につ                        けると亜鉛板の方から水素                        が発生する。
                      
                      
                      
                      
                      
                      
                      
                      

                    
                    
                      両板を導線でつなぐと電子が                       亜鉛板から銅板に移動し,銅                       板のほうから水素が発生する。                     
                    
                    
                    
                    
                    
                    
                    
② 反応



③ 電池の分極                           
   分極                             
   減極剤……分極を防ぐために用いられる酸化剤。         
        過酸化水素水,二クロム酸カリウム          
                                  
                                  

3-3 電池の種類

種類

電池の名称

構造(負極・電解液・正極) 

減極剤

起電力
             

一次電池  

ボルタの電池

(-) ZnHSOCu  (+)    

    

1.1

乾電池

(-) ZnNHClMnO C (+) 

MnO   

1.5

二次電池  

ダニエル電池

(-) ZnZnSOCuSOCu (+)

    

1.1

鉛蓄電池

(-) PbHSO PbO (+)    

PbO   

2.1

 一次電池……充電のできない電池。
 二次電池……充電ができ,繰り返し使用できる電池。

 構造
  正極+ ……イオン化傾向の小さいほうの物質。Cu,PbO,C など。
  負極- ……イオン化傾向の大きいほうの物質。Zn,Pb,Feなど。



 分極……正極に生じた水素分子が再び水素イオンになって溶けるために,逆      方向の電流を生じるため,電池の起電力が減る現象。
      H 2H + 2e
     このほかに,正極に生じた水素のため水素イオンが正極に近付けなく     なることや,Zn2+の濃度が大きくなることなどにも原因がある。
 減極剤……分極を防ぐために用いられる酸化剤。
      過酸化水素水,二クロム酸カリウム,酸化マンガン(
 電池の起電力……電池の両極間の電位差。


 極における変化
  正極+ ……電子が入る。電流が出ていく。還元される。    
  負極- ……電子が出ていく。電流が入る。酸化される。  

 局部電池……外部に電流を取り出すことのできない電池のことで,このとき流      れる電流を局部電流という。たとえばボルタの電池では亜鉛板から      も水素が発生する。これは亜鉛,不純物,希硫酸の間で電池が形成      成されるためである。

3-4 ダニエル電池

 硫酸亜鉛溶液中に浸した亜鉛板と硫酸銅溶液中に浸した銅板間に生じる起電力による電池がダニエル電池である。
 両溶液は電気的につながっていなければならないが混ざりあってはいけないので塩橋で結んだり片方の溶液を素焼きの円筒に入れたりする。

負極
 Zn Zn2+ + 2e 
正極
 Cu2+ + 2e → Cu

 分極は起こらない。電流が流れるにつれて,亜鉛板が減少し,銅板が増加する。起電力:1.1V 

3-5 乾電池(マンガン乾電池)

 現在,乾電池として利用されているマンガン電池はルクランシェの開発したルクランシェ電池が元になっている。
 亜鉛の容器の中に,塩化アンモニウム飽和溶液をしみ込ませた炭素粉末と酸化マンガン()を入れたものである。
 1868年フランスの物理学者ルクランシェが発明したルクランシェ電池を改良したものである。
負極
 Zn Zn2+ + 2e 
 Zn2+ + 4NH [Zn(NH)]2+ + 4H  
正極
 4e- + 4H + 3MnO MnO + 2HO
起電力:1.5V ,減極剤:酸化マンガン(





3-6 鉛蓄電池          

●●● 実験27 鉛蓄電池 ●●●
          

実施日     年  月  日  曜日  限,場所(   教室)天気(   ),室温(  ),湿度(  %),気圧(  mmHg)班 (  班),共同実験者(                 )
目的 鉛蓄電池をつくる。
準備 ビーカー(100),テスター,豆電球(2.5V)付きソケット
   鉛板2,木片,輪ゴム,1mol/硫酸,導線        
方法
 1. ビーカーに硫酸を約80とり,輪ゴムで木片に固定して鉛板を浸す。

 (観察)表面の色。
 

      
 2. これに約6Vの直流電源をつなぎ,約5分間電流を流す。

 (観察)表面の色の変化。
  +側              -側
 

      
 3. 直流電源から放し,テスターで起電力と極性を測る。

  電位差      V, 正極;      の極板
     

     

                   
 4. 両極間に豆電球をつなぐ。

① 鉛蓄電池の構造

 ① 構造
 ② 起電力

 ③ 正電極での反応


 ④ 負電極での反応



② 充電と放電



③ 鉛蓄電池の特徴
 ① 起電力が他の電池より大きい。
 ② 大容量のものが作れる。
 ③ 放・充電を繰り返すことにより比較的長く使用可能である。
 ④ 重くて携帯に不便。


問い1 鉛蓄電池を放電したときの変化について,次の問いに答えよ。
① 酸化された物質,還元された物質,減極剤をそれぞれ化学式で記せ。
② 希硫酸の濃度はどのように変わるか。
③ 各極板の質量はどのように変わるか。




問い2 鉛蓄電池について次の問いに答えよ。
① 放電するさいの両極でおこる変化をイオン反応式で示せ。
② 放電するとき硫酸の比重はどう変化するか。
③ 放電するとき電子は,導線内をPb,PbOのうちいずれの極に向かって流れる  か。
④ 充電するとき正極の硫酸鉛()はどんな化学変化をうけるか。







    電池の基礎学習                                                                                       
1.はじめに
 
 電解質溶液にイオン化傾向の異なる金属を入れ,導線で結ぶと電流が流れ電池ができる。この過程は酸化還元反応であるとともに,化学エネルギーの電気エネルギーへの変換でもあり,化学の教材のなかでは重要なもののひとつである。高等学校ではボルタの電池,ダニエル電池,乾電池,鉛蓄電池などがよくとりあげられる。ここでは,ボルタの電池を中心に現行の実験書を中心に基礎学習をおこなう。


2.ボルタの電池

 注意すべきこととして以下のようなことが考えられる。
  ① 豆電球と金属板の接触不良。
  ② 亜鉛板,銅板の小さいものは,電流が少なく電球がつきにくい。
  ③ 減極剤としては過酸化水素水のほかに酸化マンガン(),二クロム酸   カリウムなどでもよい。
  ④ 減極が起こるのは銅板上に発生した水素が分解することによるものであ   る。銅を2枚おいておくと,このときのことを観察できる。
  ⑤ イオン化傾向の大きい金属のほうを負極(-極)とういう。電子は負極から正極に向かって流れる。電流は電子と逆の方向に流れる。


3.鉛蓄電池

 ① 起電力は約1.9 Vであるから,1.5 Vの豆電球では切れることが多い。
  





               実験 電池

目 的 ボルタの電池,鉛蓄電池を作り,電池の原理を理解する。

[A] ボルタの電池

操作 
 1. 木片を隔てて銅板と亜鉛板を輪ゴムで固定し,これを電極として,豆電球を つなぐ。ついで,100ビーカーに 1mol/希硫酸を80入れて,電極を浸す      
         点灯のようす。                        
        銅板の表面のようす。                   
 2. 次に,豆電球が消えてから,銅板に沿わせて 3% 過酸化水素水を約10加える。                          
        点灯のようす。                              
        銅板の表面のようす。                   

考察
 操作 1.2. の現象を分極,減極剤,酸化などの語句を用いて説明せよ。


















[B] 鉛蓄電池

操 作
 1. 100ビーカーに3mol/硫酸をとり,これに 2枚の鉛板を浸す。
 2. それぞれの鉛板を直流電源につなぎ,約 6v,0.5 A 5分間充電する。

      +極の色の変化.                       


      -極の色の変化.                       

 3. 鉛板に豆電球をつなぎ点灯させる。

      点灯のようす.                        



考 察

 1. 放電時の正極,負極の変化をイオン式で表せ。また,それらを一つの式で示 せ。



 2. 正極, ,負極の物質の酸化数の変化を示せ。
























3-4 ダニエル電池

 硫酸亜鉛溶液中に浸した亜鉛板と硫酸銅溶液中に浸した銅板間に生じる起電力による電池がダニエル電池である。
 両溶液は電気的につながっていなければならないが混ざりあってはいけないので塩橋で結んだり片方の溶液を素焼きの円筒に入れたりする。
負極
 Zn Zn2+ + 2e 
正極
 Cu2+ + 2e → Cu
 分極は起こらない。電流が流れるにつれて,亜鉛板が減少し,銅板が増加する。起電力:1.1V 

3-5 乾電池(マンガン乾電池)

 現在,乾電池として利用されているマンガン電池はルクランシェの開発したルクランシェ電池が元になっている。
 亜鉛の容器の中に,塩化アンモニウム飽和溶液をしみ込ませた炭素粉末と酸化マンガン()を入れたものである。
 1868年フランスの物理学者ルクランシェが発明したルクランシェ電池を改良したものである。
負極
 Zn Zn2+ + 2e 
 Zn2+ + 4NH [Zn(NH)]2+ + 4H  
正極
 4e- + 4H + 3MnO MnO + 2HO
起電力:1.5V ,減極剤:酸化マンガン(
●●● 実験29 乾電池の分解 ●●●
     

実施日     年  月  日  曜日  限,場所(   教室)天気(   ),室温(  ),湿度(  %),気圧(  mmHg)班 (  班),共同実験者(                 )
        
目的 乾電池を分解してその構造を知る。
準備 古くなった乾電池,テスター,ラジオペンチ,軍手
注意 ボディを壊すとき,手を切りやすいので注意する。
方法 
 1. 乾電池の外枠をとり,内部の構造を観察する。初めは軍手をしておこなう。 途中で,テスターで電圧を測る。
 2. 図と対応させて観察結果を記録しよう。
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     
                     

3-6 鉛蓄電池          

●●● 実験30 鉛蓄電池 ●●●
          

実施日     年  月  日  曜日  限,場所(   教室)天気(   ),室温(  ),湿度(  %),気圧(  mmHg)班 (  班),共同実験者(                 )
目的 鉛蓄電池をつくる。
準備 ビーカー(100),テスター,豆電球(2.5V)付きソケット
   鉛板2,木片,輪ゴム,1mol/硫酸,導線        
方法
 1. ビーカーに硫酸を約80とり,輪ゴムで木片に固定して鉛板を浸す。

 (観察)表面の色。
 

      
 2. これに約6Vの直流電源をつなぎ,約5分間電流を流す。

 (観察)表面の色の変化。
  +側              -側
 

      
 3. 直流電源から放し,テスターで起電力と極性を測る。

  電位差      V, 正極;      の極板
     

     

                   
 4. 両極間に豆電球をつなぐ。


① 鉛蓄電池の構造

 ① 構造
 ② 起電力
 ③ 正電極での反応

 ④ 負電極での反応

② 充電と放電


③ 鉛蓄電池の特徴
 ① 起電力が他の電池より大きい。
 ② 大容量のものが作れる。
 ③ 放・充電を繰り返すことにより比較的長く使用可能である。
 ④ 重くて携帯に不便。

問い1 鉛蓄電池を放電したときの変化について,次の問いに答えよ。
① 酸化された物質,還元された物質,減極剤をそれぞれ化学式で記せ。
② 希硫酸の濃度はどのように変わるか。
③ 各極板の質量はどのように変わるか。

問い2 鉛蓄電池について次の問いに答えよ。
① 放電するさいの両極でおこる変化をイオン反応式で示せ。
② 放電するとき硫酸の比重はどう変化するか。
③ 放電するとき電子は,導線内をPb,PbOのうちいずれの極に向かって流れる  か。
④ 充電するとき正極の硫酸鉛()はどんな化学変化をうけるか。







    電池の基礎学習                                                                                       
1.はじめに
 
 電解質溶液にイオン化傾向の異なる金属を入れ,導線で結ぶと電流が流れ電池ができる。この過程は酸化還元反応であるとともに,化学エネルギーの電気エネルギーへの変換でもあり,化学の教材のなかでは重要なもののひとつである。高等学校ではボルタの電池,ダニエル電池,乾電池,鉛蓄電池などがよくとりあげられる。ここでは,ボルタの電池を中心に現行の実験書を中心に基礎学習をおこなう。


2.ボルタの電池

 注意すべきこととして以下のようなことが考えられる。
  ① 豆電球と金属板の接触不良。
  ② 亜鉛板,銅板の小さいものは,電流が少なく電球がつきにくい。
  ③ 減極剤としては過酸化水素水のほかに酸化マンガン(),二クロム酸   カリウムなどでもよい。
  ④ 減極が起こるのは銅板上に発生した水素が分解することによるものであ   る。銅を2枚おいておくと,このときのことを観察できる。
  ⑤ イオン化傾向の大きい金属のほうを負極(-極)とういう。電子は負極から正極に向かって流れる。電流は電子と逆の方向に流れる。


3.鉛蓄電池

 ① 起電力は約1.9 Vであるから,1.5 Vの豆電球では切れることが多い。
  





               実験 電池

目 的 ボルタの電池,鉛蓄電池を作り,電池の原理を理解する。

[A] ボルタの電池

操作 
 1. 木片を隔てて銅板と亜鉛板を輪ゴムで固定し,これを電極として,豆電球を つなぐ。ついで,100ビーカーに 1mol/希硫酸を80入れて,電極を浸す      
         点灯のようす。                        
        銅板の表面のようす。                   
 2. 次に,豆電球が消えてから,銅板に沿わせて 3% 過酸化水素水を約10加える。                          
        点灯のようす。                              
        銅板の表面のようす。                   

考察
 操作 1.2. の現象を分極,減極剤,酸化などの語句を用いて説明せよ。


















[B] 鉛蓄電池

操 作
 1. 100ビーカーに3mol/硫酸をとり,これに 2枚の鉛板を浸す。
 2. それぞれの鉛板を直流電源につなぎ,約 6v,0.5 A 5分間充電する。

      +極の色の変化.                       


      -極の色の変化.                       

 3. 鉛板に豆電球をつなぎ点灯させる。

      点灯のようす.                        



考 察

 1. 放電時の正極,負極の変化をイオン式で表せ。また,それらを一つの式で示 せ。



 2. 正極, ,負極の物質の酸化数の変化を示せ。





































3-7 その他の電池

① 燃料電池
 酸素と水素を白金触媒を用いて反応させる。
 起電力:アルカリ性電解質で約1.1V

② アルカリ電池
 正極,負極物質はマンガン乾電池と同じであるが,電解液として水酸化カリウムを使用している。理論的な容量はマンガン乾電池の約1.7倍である。


③ ニッケル-カドミウム蓄電池
 正極ニッケル酸化物,負極カドミウム化合物,電解液アルカリ水溶液
            放電
  2NiOOH + Cd + 2HO  2Ni(OH) + Cd(OH) 
            充電
  容量を小さくしてある正極が先に充電が完了し,酸素が発生する。これは負  極に拡散し,Cdと化合する。
④ 水銀電池
 1942年ルーベンが開発。
 Zn + HgO ZnO + Hg
 電圧1.35V。正極にMnOを加えたものは1.4V
特徴 ① 放電電圧が安定している。② 貯蔵性にすぐれ,開路電圧が長期間安定 している。③ 体積エネルギー密度が大きい。④ 動作温度範囲が広い。⑤  較的安価である。    
用途補聴器,カメラ,通信機,
⑤ 太陽電池
 化学変化によらない電池である。
 正極:微量のホウ素を加えたケイ素。
 負極:微量のリンを加えたケイ素。
 起電力:約0.6V。変換効率:1213%。

3-8 局部電池

① 局部電流
   電池の両極を結ぶ導線中を流れないで電池の内部だけを流れる電流を局   部電流といい,この部分を局部電池という。
  原因……電極に混在する不純物による。
② ブリキとトタン
③ 金属の腐食
 イオン化傾向の小さい金属が不純物として混入すると,局部電池が生じ腐食のの原因になる。純粋な鉄は錆びにくいが,純度の低いものはすぐに錆びる。






3-9 練習問題

練習1 鉛蓄電池の各極板は次のように変化する。(放電のとき)
  Pb + SO2- PbSO + 2e 
  PbO + 4H + SO2- +2e PbSO + 2HO 
① 正極となる物質はどれか。物質名で答えよ。
② PbOの酸化数の変化をしるせ。
     
③ 1Fの電気量が流れたときPbOの質量変化はいくらか。
   Pb=207,S=32      
 
  上の二つのイオン式を一つの化学反応式にまとめよ。 



練習2 ボルタの電池について次の問いに答えよ。
① 正極および負極でおこる反応をイオン式で記せ。
② 電流はどの金属からどの金属へ向かって流れるか。
③ この電池は途中で電圧が下がる。この現象を何というか。
 また,その理由を説明せよ。
④ ③で生じたことを防止するために加える物質を何と呼ぶか。またそれは酸化 剤,還元剤のうちのどちらになるか。
⑤ ①で酸化された物質は何か。