総覧186 十大弟子像。
十大弟子東側(左から、E1,E2・・E5とする)
十大弟子西側(左からW1,W2・・W5とする)
1、舎利弗(しゃりほつ)、シャーリプトラ(Śāriputra)。舎利子とも。智慧第一。『般若心経』では仏の力を承けた観音菩薩の説法の相手。
2、目犍連(もっけんれん)。目連(もくれん)とも。神通第一。
中国仏教では目連が餓鬼道に落ちた母を救うために行った供養が『盂蘭盆会』(うらぼんえ)の起源とする。
3、摩訶迦葉(まかかしょう)。大迦葉とも。頭陀(ずだ) 第一。
釈迦の死後、その教団を統率し、第1結集では500 人の仲間とともに釈迦の教法を編集。禅宗の第2祖とする。
4、須菩提(しゅぼだい)。スブーティ。解空第一(げくう・だいいち)。
『金剛般若経』等に登場。
5、富楼那弥多羅尼子(ふるなみたらにし)。富楼那(ふるな)と略称。説法に優れていた。説法第一。
6、迦旃延(かせんねん)論議第一。
7、阿那律(あなりつ)。天眼第一(てんげん・だいいち)。
釈迦の従弟。視力を失ったが真理を見る眼をえた。
8、優波離(うぱり)。ウパーリ。持律第一。
9、羅睺羅(らごら)。ラーフラ。密行第一(みつぎょう・だいいち)。
釈迦の長男。日本では寺院の子弟のことを仏教用語で羅子(らご)と言う。
10、阿難陀(あなんだ)。アーナンダ。阿難とも。多聞第一(たもん・だいいち)。釈迦の従弟。釈迦が死ぬまで25年間、釈迦の付人。第一結集のときアーナンダの記憶に基づいて経が編纂された。120歳まで生きたという。『無量寿経』に登場。
参考:大角修『全品現代語訳法華経』、角川文庫、p.145
四天王に囲まれた釈迦三尊座像の左右両側に、北を向いて5体ずつある立像である。この立像から直角に8体ずつ向かいあっている座像が十六羅漢像である。
施主は宇根家文書「五百大羅漢寄進」に林蔵とあり、台座の信願も林蔵自ら書いたものであろう。
資料:「五百大羅漢寄進」の一部 ➡️林蔵寄進
信願(東側十大弟子の台石)
吾卿居士一観
者世興以修善
而自利自他人
所知識矣 又
而自利自他人
相値其勝因
願而造立於二
八尊者五百聖
者永今人住一
念不退地爾
六十一歳発願
六十四歳願成就
柏原林蔵