2015年4月5日日曜日

因島重井町 くどき集

しげいみち
盆踊りの「くどき集」が重井町老人クラブ康和会から発行されている。
目次の裏に次のように記されている。
編集世話人
 柏原 舒延
 峰松 一男
 村上源三郎
 柏原 一男
 村上吉五郎
 田頭 春義
 村上 満雄
後援
 重井町老人クラブ康和会
        (非売品)
昭和五十一年八月印刷

重井町老人クラブ康和会の編集、発行と考えてよいだろう。

盆踊りは時代とともに変わったが、小学校の運動場で行われていたころ(これもかなり長い間ではあるが)、盆踊りには、流行のものと、炭坑節などの定番と「地踊り」と呼ばれるものの3つのパターンがあった。その地踊りの音頭(拍子とせりふ)が「くどき」である。地踊りになると、躍れない小学生たちは後ろに下がって休憩していたこともあった。また仮装大会が地踊りに合わせて登場したこともあったように思う。

対岸の、といっても大浜町から見て対岸の、沼隈町の様子がまとめられているので紹介しよう。
踊りは円陣の中央に音頭取り(口説きと太鼓打ち)が立ち、踊り手が輪をつくって囲み、音頭取りの拍子にあわせて躍る。口説きはたすきがけや尻からげをし、声がよく響くよう番傘をさして唄った。この口説きはどの集落にも二、三人いて、踊りが盛り上がると口説きの取りあいが起こることもあった。(中略)踊りの種類は二つ拍子、三つ拍子、四つ拍子、大島踊り、ひょうりん、尾崎、ござ踊り、扇踊りなどで、これにあわせた囃し言葉をかけた。また、人情ものの口説きは人気が高かった(表8—9・8−10参照)。
表8—9 拍子と囃子言葉
二つ拍子  ヤンサノセー ヤンサノセー
三つ拍子  ヨイショナー ヨイショナー
四つ拍子  アリョセ ヨイトナ
尾  崎  ヨンサノセー ヨイトナー
大  島  ヨイヨイ ヨンヤセー
ひょうりん シャントコイ シャントコイ

口説きの題 拍子
新徳丸   二つ拍子
八百屋お七 三つ拍子
小栗判官  三つ拍子
尾道心中  三つ拍子
阿武兔   三つ拍子
鈴木主水  四つ拍子
八百屋お七 四つ拍子
白井権八  四つ拍子
石童丸   四つ拍子
国定忠次  四つ拍子
沼隈町教育委員会編、「沼隈町誌 民俗編」、平成一四年、p.526 
なお、表8−10には、尾道心中、阿武兔の全文、八百屋お七、鈴木主水、石童丸の抜粋と引用文献として昭和五十一年沼隈盆踊り同好会編『沼隈盆取口説』が挙げられている。

ここで、重井の「くどき集」に戻る。
まず、目次から。目次には26編の題目とページが載っている。
題目の前の番号は漢数字だが、アラビア数字で記す。
1、円正寺お杉  1
2、鈴木主水   4
3、お塩亀松
4、梅川
5、山崎算三
6、石童丸
7、お色重助
8、お三七兵衛

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