1973年(昭和48年)日記
1973年1月17日。    
 年は変わったけれども・・・・
 残っているので続けて書くことにする。
 11時前起床。昨夜の読書(カミュ全集Ⅰ)がこたえたらしい。朝食後学校へ。雨。
1973年2月5日。月曜日。
 先週の金曜日から風邪で,金土日と何もせずに暮らした。
 頭痛と身体全体を流れる倦怠感に私はどうすることもできず,寝て暮らした。
1973年6月9日。
 青春はかくもうつろなものであろうか。
 でも,それは夢 幻ではなかった。
 一つの現実だった。
1973年6月22日。
二十一歳最後の日に
 超相対性理論
 多次元時間理論 一周年の日
夢は終わったかもしれないが、
長く果てしない現実は続く。
夕闇の中に、光るのはだれの瞳?
夜空は晴れていても、
青春のうつろな日々は、
何も語りはしない。
虚無と死を超越した心にお
ときどき
ふと、さみしさがたがよう。
久遠の努力に疲れたかのように。
1973年7月29日。日曜日。
連日うだるような暑さが続く。
夕刻、日が落ちて、ニイニイゼミ、つくつくほうし、カナカナ等が鳴いている。西のほうに、夕空が美しく開ける。一番星はまだ見えない。
1973年7月30日。月曜日。
新川広行と土生で会う。
1973年9月1日。
 夜,久し振りに夕刻から雨が降った。
 雨に濡れたバイパスは美しい。車のライトが夜の世界に静かな夢を運ぶ。
 ふと考えていた。
 過去のこと,未来のこと。
 遠い過去,近い未来。
 何も書く気はない。
 読書だって,熱をいれてやろうとは思わないこの頃。
 創作欲は八割方消え失せ,
 未来を信じているわけではなく,
 過去の栄華に固執しているのでもなく,
 さりとて,
 死ぬほどの事はない。
 一体どうしたというのだろう
 手紙を書くのを忘れている
1973年10月11日。
8日より正覚寺で秋合宿。
1973年10月12日。
食品工業試験所で、広島県酒造組合のバイト。角君と。2300円。
8日より13日まで日本化学会秋期大会。
1973年10月13日。雨。
1973年10月14日。
試験休み最後の日。
明日より後期授業開始。
10時起床。少々肌寒い。
午後、本通へ。電子関係2冊、文芸1冊。
1973年10月15日。
昨夜からめっき冷え込んで、冬の訪れを感じさせる。
大山では初雪が降ったそうだ。
「悲しき南回帰線」を読む。
1973年10月16日。
今日から岩波文庫の星一つが70円になる。イヤーダ。当分の間、岩波文庫は読まないことにしよう。
1973年10月23日。火曜日。
そんなに寒くはないのだが昨夜からコタツを出している。
昨日新潮文化講演会があった。大江健三郎、井上光晴の二人が来広された。遅れていくと、井上光晴の講演が始まるところだった。まずまず・・・。
1973年12月5日。
三段峡へハイキング。
1973年10月11日。日曜日。
すっかり寒くなった。
