2015年5月29日金曜日

尾道市因島 因島城跡物語 終章

いんのしまみち 細島茶臼山城跡物語⬅️ 終章 ➡️参考文献
伝説とロマンの島 因島城跡物語

終章 

1600の関ヶ原で、事実上因島村上氏時代は終わる。そして人群れ騒ぐ江戸の街に江戸幕府が開かれると、因島は近世の瀬戸内海に浮かぶ静かな農村となる。
維新の動乱を経て近代になると、時代とともに船運が発達するも、やはり島である。
因島大橋建設にかかわる重井大石遺跡発掘の話でこの物語を始めたので、因島大橋開通後の因島のようすを述べてこの話を終わるのがよいだろう。
東京一極集中と全国的な過疎化という21世紀前半の傾向の中で、因島もその例外ではない。街を歩けば空き家が目立ち、野山を歩けば耕作者のいなくなった田畑は開墾以前の姿に戻ろうとしている。先人がが苦労して切り開いた峠道や畑道は棘や蔦葛で覆われ、イノシシの往来を恣にしている。
かつては因島西回り、東回りの航路が尾道から出ており、三原からは重井西港から西回りの航路が出ていた。さらにフェリーボートや高速艇が加わり、多くの港湾施設とその周辺が賑わった。
しかし、因島大橋開通は因島の交通体系を一変した。因島にはインターチェンジが二カ所あるが、いずれもハーフインターでそれぞれの側の乗降ができるだけである。
因島を起点とする高速バスは福山と広島しかないが、新幹線で帰省するにはひかりの停車する福山で降りて高速バスを利用するのが便利である。