2021年11月29日月曜日

1973年

1973年(昭和48年)日記

               
1973年1月17日。    
 年は変わったけれども・・・・
 残っているので続けて書くことにする。
 
 11時前起床。昨夜の読書(カミュ全集Ⅰ)がこたえたらしい。朝食後学校へ。雨。
 
 
1973年2月5日。月曜日。
 先週の金曜日から風邪で,金土日と何もせずに暮らした。
 頭痛と身体全体を流れる倦怠感に私はどうすることもできず,寝て暮らした。
 
1973年6月9日。
 青春はかくもうつろなものであろうか。
 でも,それは夢 幻ではなかった。
 一つの現実だった。
 
1973年6月22日。
二十一歳最後の日に
 超相対性理論
 多次元時間理論 一周年の日
夢は終わったかもしれないが、
長く果てしない現実は続く。
夕闇の中に、光るのはだれの瞳?
夜空は晴れていても、
青春のうつろな日々は、
何も語りはしない。

虚無と死を超越した心にお
ときどき
ふと、さみしさがたがよう。
久遠の努力に疲れたかのように。

 
1973年7月29日。日曜日。
連日うだるような暑さが続く。
夕刻、日が落ちて、ニイニイゼミ、つくつくほうし、カナカナ等が鳴いている。西のほうに、夕空が美しく開ける。一番星はまだ見えない。
 
1973年7月30日。月曜日。
新川広行と土生で会う。
 
1973年9月1日。
 夜,久し振りに夕刻から雨が降った。
 雨に濡れたバイパスは美しい。車のライトが夜の世界に静かな夢を運ぶ。
 ふと考えていた。
 過去のこと,未来のこと。
 遠い過去,近い未来。
 
 何も書く気はない。
 読書だって,熱をいれてやろうとは思わないこの頃。
 創作欲は八割方消え失せ,
 未来を信じているわけではなく,
 過去の栄華に固執しているのでもなく,
 さりとて,
 死ぬほどの事はない。

 一体どうしたというのだろう
  
 手紙を書くのを忘れている
 
1973年10月11日。
8日より正覚寺で秋合宿。
 
1973年10月12日。
食品工業試験所で、広島県酒造組合のバイト。角君と。2300円。
8日より13日まで日本化学会秋期大会。
 
1973年10月13日。雨。
1973年10月14日。
試験休み最後の日。
明日より後期授業開始。
10時起床。少々肌寒い。
午後、本通へ。電子関係2冊、文芸1冊。
レヴィ=ストロース「悲しき南回帰線」、ロジェ・カイヨワ「遊びと人間」読書中。

1973年10月15日。
昨夜からめっき冷え込んで、冬の訪れを感じさせる。
大山では初雪が降ったそうだ。
「悲しき南回帰線」を読む。

1973年10月16日。
今日から岩波文庫の星一つが70円になる。イヤーダ。当分の間、岩波文庫は読まないことにしよう。

1973年10月23日。火曜日。
そんなに寒くはないのだが昨夜からコタツを出している。
昨日新潮文化講演会があった。大江健三郎、井上光晴の二人が来広された。遅れていくと、井上光晴の講演が始まるところだった。まずまず・・・。


1973年12月5日。
三段峡へハイキング。

1973年10月11日。日曜日。
すっかり寒くなった。