2015年3月20日金曜日

因島重井町 廻国供養塔

しげいみち いんのしまみち 因島の廻国供養塔
重井町には六十六部の廻国供養塔が3基ある。川口大師堂横に1基、善興寺に2基。

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1.川口大師堂横
総覧61 六部廻国塔
2014.11.30.川口大師堂横。
2014.11.30.願文の拡大。中央「奉納大乗妙典六十六部日本回國」。右「天下泰平 願主」。左「日月清明 行者了心」。

 相輪 幅26cm、高さ92cm。(内、宝珠 径21cm、高さ16cm。)笠 幅87cm、高さ20cm、奥行87cm。
塔身「奉納大乗妙典六十六部日本回国 天下泰平 日月清明 願主 行者了心」。
幅51cm、高さ68cm、奥行31cm。
基台(上から1)幅45cm、高さ21cm、奥行43cm。
基台(上から2)正面(南面)「十方施主 文政八歳 酉三月吉日」。左面(西面)「尾道住人 石工 善三郎  伊平」。
幅59cm、高さ14cm、奥行58cm。
基台(上から3)(2個合体)幅87.5cm、高さ25cm、奥行87cm。基台(上から4)幅117cm、高さ20.5cm、奥行116.5cm。
基壇セメント。
「六部了心」の名が「文政十年 重井村観音山 五百大羅漢寄進」の重井村壱番組の最後の頁に見える。(『白滝山資料集2018』p.68)また、大脇田家譜に「大師堂の尼僧」とある。

 安永三年(1775)村立実録帳に「堂三ケ所 滝山 観音堂 はふく 大師堂 才のかみ 地蔵堂」(『因島市史料 第一集』p.22)とある。

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2.善興寺境内
総覧55 子安地蔵尊 総覧ん56 六部廻国地蔵塔
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2015.1.7.子安地蔵が上に載っている。左手に幼児を抱いている。台座が六十六部廻国供養塔で子安地蔵とは別物と考えていたが、同時に作られたのかもしれない。
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廻国供養塔の刻銘
天下泰平 肥後國天草郡世濠村
             供
奉納大乗妙典日本六十六部廻國
             養 
嘉永元戌申十一月吉日
日月清明
      願主 長五郎 
         この女


雲州 賜願主 勝三良
   世話人 居合中 


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       十四代
 鐵岸寿禄信女
文政十三寅
香岸宿梅信女
 二月十四日

他に
雲州 賜願主 勝三良
世話人居合中 
の文字。

「旅先で行きくれて病死することだって決して少なくない。例えば肥後国天草の長五郎とその娘この女の場合もそれである。この二人は勝三郎その他居合わせた同行者を脇願主として、立派な廻国供養塔を、重井の善興寺にのこしたのは嘉永元年の霜月であった。」
中島忠由「因島地方一万年史」,p.339

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3.善興寺境内。六地蔵の反対側。
総覧60 六部廻国塔。
2015.3.25.  (中央)奉納大乗妙典日本六十六部廻國 (右)天下泰平 大和國産 (左)日月清明 大願主新叡
 2015.3.25.台座。「世話人「施主」「長蔵」「十方」の文字がある。
2015.3.25.右面。




しげいみち いんのしまみち 因島の廻国供養塔