しげいみち
盃状穴とは、岩に穴を穿ち子授け、安産などの祈願をした習俗を伝える岩石上に掘られた穴のこと。そういう習俗がその地にあったことを伝える文化遺産。
重井には3件が確認されている。
1.フラワセンター付近。個人宅。
2015.3.14.盃状穴が外から見えるように塀の一部を開けてくれている岡本氏宅。フラワセンター前駐車場を青木方面へ2軒目。右がフラワセンター方向、左が青木方向。西洋館フラワーセンター線を降りたところ。
2015.3.14.拡大図。上部にある。
2015.3.14.きれいな穴が掘られている。
2015.3.14.あまり拡大しなほうがよくわかる。
個人のお宅にあるものをこういう形で公開されていることに対して感謝している。形も美しく、また保存状態のよい貴重な文化遺産である。
2.厳島神社の境内。西浜近く、明神にある「明神さん」の境内、階段を上がって右手辺りにある。
2015.1.11.右側、灯籠の前の半分日陰になっている手水鉢。遠くからでもでこぼこがよく見える。
2015.1.11.灯籠の土台石にも小さな穴があるが、これを盃状穴とするかどうかは難しい。手水鉢のは明らかに盃状穴である。
3.一本松。
2014.12.10.総覧86 一本松碑。 総覧88 石碑(一本松)。(左の寄付碑?)
左の石灯籠の棹の部分にも少しある。
主な部分は残念ながら現在は中庄町金蓮寺境内、資料館前。
2015.1.18.中庄町金蓮寺境内。資料館前。右側の柵のところの岩。
2015.1.18.一本松にあったときは穴のある面が上だった。子供の頃、この穴にヨモギを入れ、小石で磨り潰して遊んだりした。
2015.1.18.説明板。
おそらく道路工事で散逸を防ぐためにここに持ってこられたのであろうが、いまでは重井町一本松には小さな公園ができており、サイクリング客のオアシスとなっている。これを置く空間は十分ある。そこに戻して、重井町内の他の2点とともに紹介してこそ、土地の習俗を偲ぶことができるというものだろう。
参考:
田中稔、「因島史考」、因島文化財協会、1996年
因島田熊文化財協会、「田熊の文化財」、第二十五巻、因島田熊文化財協会、平成19年3月
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