2019年7月12日金曜日

ふるさとの史跡をたずねて 第31-40回 

第31回 風呂山(因島中庄町)

中庄側と田熊側からの青影山への登山道が合流するところに、二の木戸があった。そこから西に登れば青陰城跡である。東へ登る道は奥山へと続くハイキングコースである。ここを登って、下る手前で左折すれば風呂山山頂に至る。あまりにもなだらかだから、どこが頂上かわからないうちに下り始める。

風呂山という名前が興味深い。風呂があったのだと言う人がいた。風呂木を取りに行く山だから風呂山と呼ばれたのだと個人的には思うが、そう言うことは聞かないので、とりあえず前者に従い、風呂の跡らしきものを探しに行った。
北へ下って行くと、水溜りがあった。大きなウラジロの群生に覆われ、池の形は伺うことはできなかったが、そこから水が溜まってイノシシの風呂になっていた。
さらに驚くべきことには、その周囲がやや北に傾斜しているものの、かなりの広さの平坦地になっていた。人が住むには十分の広さである。青陰城へ水を供給するだけでなく、それ以上の役割を持った場所だったと考えられないだろうか。
風呂山と青影山をセットで考えると、青陰城の素晴らしさがいっそうよくわかる。