読書のすすめ
S.55.6.12. 3-7 専用
(はじめに)
以前、本を一日20分は読めと言ったことがあるけれども、少しは実行している人がいるのであろうか?
勿論、いろいろな注意、助言と同じく、自覚している人には、即ち、いつも読んでいる人には励みになっても、自覚していない人には効果はないのが常であるから別に何ともわないが・・・。
しかし、それでも卒業するまでに最底10冊は本を読み、「まがりなにも読書をした」という経験をして卒業してほしいと思う。読書というのは現国の一部分であるかもしれないが、決して現国の勉強のつもりでするものではない。
人間の生きる時間や、思考の能力やら、体験の範囲には必ず限度があるものだから、それを補うということがある。やはり、いろいろなことを考えたり体験した人の話を聞くことは様々な面で貴重だ。
色々と 読書の意義について書いても限りがないのでやめるが、自分や、社会や、人生や、人間について少しでも考えながら生きようと思ったら、本を読むのが最もいい。またそうすることによって、今まで嫌々ながら、学んだ教科書、学校で得た意識というものが生きてくるであろうし、その意味もわかるに違いない。
…しかし、受験勉強に忙しいと、反論が出るかもしれない。ならば、受験勉強に役立つという面も強調しよう。端的に言って国語、英語、社会の成績がよくなるであろう。思考力の訓練に至るまでやれば数学、理科だってよくなるに決まっている。
日本語の理解力が深まるだけでも受験に向いているかもしれぬ。いや
それ以上に、自分の生き方というものを見つめる余裕が出れば、生活そのものに張りか出てくるに違いない。この効果の方が受験には大きい影響を与えるかもしれぬ。
きりがないので、もうやめるが、進学、就職には関係なく、人生を楽しく送るためにも、読書は不可欠だ。さて、それでは何をめばいいのか、少々、紹介しておく。
◎時間をもてあまし、生きることに飽いている人
F・フォーサイス、篠原訳、『ジャッカルの日』、角川文庫。
実におもしろいのだ。小生只今読書中。あのアタシュケースの中には、これと、プラトン全集が一つ入っているかだ!
◎さらに娯楽に励みたい方
コナン・ドイル、「シャーロック・ホームズ」シリーズ、新潮文庫。
大学四年のとき、卒後研究をしつつ全て読んだのだ。ホームズについての小生のエッセー 2編有り。
◎読書を世界史の勉強に役立てたい方
辻邦生 、『背教者ユリアヌス』中公文庫。
ローマ帝国とその背景。実によくできた最高の現代小説で。宗教とは関係ない。
辻邦生、『春の戴冠』、新潮社。
ルネサンスのロマン。
辻邦生、『フーシェ革命暦」
フランス革命時のロマン。残念ながら、雑誌連載中。
◎将来学問をやりたい人
私辻哲郎、『埋もれた日本』、新潮文庫。
三木清、『読書と人生』、新潮文庫。
◎教師になる人
『今、学校で』、朝日新聞社。
『教科書』、『教育入門』、『自由と規律』、『高校生』、以上岩波新書。
◎日本史と娯楽を兼ねて
山岡壮八、『徳川家康』、講談社文庫、26巻。小生は秀吉が死んだ後は読んでおりませんが・・・
井上靖、『風林火山』、新潮文庫。
◎英語の勉強のために
E. Hemingway、“The Old Man and the Sea”、
“The Snow of Mt.Kilimanjaro,and some short stories”,
W. S. Mangha,“Summing Up”、以上、ペンギンブック。
少々難しいが、雰囲気を知るにはいい。
◎男の眼でみた女の生き方
堀秀彦の著作、教養文庫、大和書房、青春出版社等。
◎ウーマン・リブ的女の生き方
S.ボーボオワアール、『第二の性』、新潮文庫。「女は女に生まれるのではない。女に育てられるのである」という有名な文句で始まるカターイ本。最近は売れていないそうだ。
◎古文学習のために
『方丈記』、『竹取物語』、『伊勢物語」、『更級日記』、岩波文庫等。いずれも短いので、すぐに認める。
◎数学とやりたい人
矢野健太郎、『すばらしい教学者たち』新潮文庫。
ガロアの伝記など
◎物理をやりたい人
湯川秀樹、『素粒子』、岩波新書。『創造への飛躍』、講演社文庫。
アインシュタイン、『物理学はいかにつくられたか』岩波新書。
◎公害関係
カーソン、『沈黙の春』。有吉佐和子『複合汚染』新潮文庫。
『水後病』、『瀬戸内海汚染』、岩波新書。
◎その他
小林秀雄、『無常といふこと』、『私の人生観』、「Xへの手紙」(各文庫)。
中野好夫、『文学の常識』、(角川文庫)、『アラビアのロレンス』、岩波新書。
吉田精一 、『文学入門』、旺文社文庫。
西尾幹二、『 ヨーロッパの個人主義』、談社現代新書。