2013年8月1日。木曜日。晴れときどき雨。
八月になった。七月にして既に真夏であるので、ことさら八月になったからといって変わったことがあるわけではない。だから、そのせいか退職後の気儘な生活を始めて4ヶ月が経ったと言うことすらも、数えるのを忘れていた。そういう生活がすっかり身についたということだろう。夜中に起きて、また明るくなる前に寝たりという、老人型の生活をしていると、夜も早い時間に眠くなる。
今日は若潮といって大潮ではないが、夜中に遅く昇る逆三日月が小さくなっているので、大潮に近づいているのではないかと思って、孫を連れて海に行くことをふと思った。ま満潮は8時頃ということなので、朝から行くことにした。浅口市の寄島だ。家から40キロ。干拓地を走る笠岡バイパスを経て、海辺の道路を大島を経て寄島へ。
海水は因島ほど澄んでいないが、波は穏やかで、前に広がる笠岡諸島の島影ものどかで、悪くはない。
和辻哲郎「歌集『涌井』を読む」。
2013年8月2日。金曜日。晴れときどき雨。
4時半に起きる。昨夕の夕立の続きのような雨が時折降ったのではないかと思わせるような戸外の様子である。しかし、昨夜は10時過ぎに床に入り、熟睡していたので、雨がいつ降ったのか、あるいは降り始めたのが先ほどなのか、わからない。とにかく、今日も既に少し降ったというだけである。
和辻哲郎「巨椋池の蓮」。
7時に出て因島へ。午前中、老母を連れて歯科医院ならびに口腔外科二軒のはしご。やや曇りがちの気候の下、庭木の剪定。時期的にはやや早いのであるが、伸びすぎた木を大幅にカット。シーズン中の剪定領域を減らそうという魂胆。
インターネットができないので、ストレッチをしていたら7時前に寝てしまった。ネット中毒に該当するのかもしれない。
2013年8月3日。土曜日。晴れ。
0時に起きる。少し本を読んで、がらくたの片づけ。そして4時になったので、外に出て庭木の剪定。蚊と虻が襲ってくる。昼前にくたびれたのでやめる。まだ、本格的な剪定のシーズンではないので、樹木にとってもほどほどにしておくのがよいだろう。
鯉の稚魚は元気に成長している。細かい餌をやりたいところだが、がまんしてやらないようにしている。これまでの経験では、餌をやって(やりすぎて)死ぬことはあっても、餌をやらなくて死んだことはない。今年買った錦鯉の稚魚(雑魚)は230尾。コアカが9尾。死んだのが5尾。死亡率は2%。まずまずではなかろうか。
10時に寝る。
2013年8月4日。日曜日。晴れ。
3時起きる。午前中、昼寝。
午後、知人の葬儀。私より若い人の死は痛ましい。事業家として成功した人だった。大らかでユニークな人柄だった。ご冥福をお祈りするしかない。
二週間滞在した孫が家に帰った。寂しくなった。そこで、次は弥高山のキャンプであるが、天候が気になる。連日雷注意報が、岡山県、広島県、その他の近県に出ている。昨日は、岡山県西部は大雨洪水警報まで出ていた。
最近青空文庫に泉鏡花の「照葉狂言」、織田作之の「我が町」、薄田泣僅の「泣僅詩抄」が登場した。
夜になって涼しくなったので、エアコンを切った。珍しい。
2013年8月5日。月曜日。晴れ。
1050分に出て、弥高山に向けて出発。
20分でハローズ井原店。食品など調達。15分経過。
国道313号から県道9号線を走る。三原から高山市へ。
12時5分弥高山着。途中、車を停めて写真を写したりしていたので、実際には1時間もかかっていないのではないだろうか。距離にして35キロ。
2つあるオートキャンプ場のうちシャワーに近いアカマツキャンプ場へ。
テント持ち込み料1000円。管理費二人で800円。シャワー二人で200円、合計2000円。
昼食。テント設営。散策。周遊登山道を一周。
雷雨。車で夕食。止んでシャワー。
2013年8月6日。火曜日。晴れ。
4時に目が覚める。鳥の声。虫の声。烏。
涼しい。うつらうつらとしていると明るくなる。5時になっているので、起きて散歩。
9時過ぎ、テント撤収。
千峯坂、高山市へ。高山市-三原線が工事のため通行止めなので北に迂回。高山市-出谷線を迂回。三原英義学館跡の前を通過。県道9号線に出て南下。明治ダム。明治ごんぼう村。花瀧から国道313号を経て帰る。
9時半に寝る。
2013年8月7日。水曜日。晴れ。午後一時雷雨。
3時45分に起きる。28℃。5時頃に明るくなったので4000歩ほど歩く。
暑い一日。
3時半頃雷雨。激しい風と雨。
夕方、6ヶ月点検に行く。
8時頃寝る。
真壁昭夫著「日の丸家電の命運」(小学館101新書)読む。
他に、青空文庫で、
和辻哲郎「エレオノラ・デュウゼ」
和辻哲郎「院展日本画所感」
吉川英治「柳生月影抄」 など。
2013年8月8日。木曜日。晴れ。
1時に起きる。暑い。夕方の雷雨で涼しくなったと思ったのは幻か?
3時頃眠くなったので、寝る。
6時半に起きて朝食。そして2000歩ほど散歩。日影を選んで歩く。セミの声しきり。
10時半に出てガソリンスタンドへオイル交換に行く。最近では、三ヶ月、半年の無料点検にはオイル交換はついていないようで、交換したほうがよいというアドバイスだったので、年間契約しているガソリンスタンドへ行った次第。20分ほどかかるということだったが、朝日新聞を読み終わらぬうちに終わってしまった。群像、新潮、文学界、すばるの広告が二面の下にあって、化石でも見ているような気持ちになった。これではいけない、と執筆者名を順に追ったが、読みたいと思う人の名前はなかった。当たり前で、愛読の作家評論家の八割以上の方が既に生きておられないのだから・・・。
その後、予約していた本をとりに書店へ。ポイントサービスだのスタンプサービスだのされても、違和感だけが残る。こちらは化石というよりも絶滅前の恐竜を連想させる。書店が悪いのではない。流通形態が悪いのだ。書店はその被害者に過ぎない。昨日読んだ「日の丸家電の命運」には国内で消費者・ユーザーの不便を顧みずに各社の機能を競っていた携帯戦争が国際標準からはずれ現在の敗北状況を作ってしまったとあったが、書籍の流通形態も似たようなものだ。ただ競争相手が外国ではなく、電子書籍であり、あるいは書籍以外の活字情報であるというところが違う。何がいけないかというと、情報の質に対する料金が高すぎる、そしてその原因は業界の体質にあるということだ。業界そのものが壊滅するだろう。
それにしても暑い日だった。屋内でも34.6℃というのは異常を通り越している。
F・デュ・ボアゴベイ原作、さとうまきこ文「鉄仮面」(講談社・世界の冒険文学)終わる。
他に青空文庫で、
池田菊苗「『味の素』発明の動機」
高木貞治「回顧と展望」
和辻哲郎「蝸牛の角」 など。
2013年8月9日。金曜日。晴れ。
5時に起きる。昨夜より少し涼しい。7時に出て因島へ。老母を歯科医院へ連れて行く。帰って豆柘植の剪定。海と山に囲まれた島の気温は低いといっても今日の暑さは格別だった。10分置きに水道で顔を洗い頭から水をかけ、がぶがぶと水を飲んでも1時間ほどで限度だった。無理をしないほうがよいのでやめた。お盆が近づいたので、5時半ごろ墓参。墓石が焼けて赤外線を放射しているのが見えはしないが、膚が感じる。
6時半頃尾道バイパスを走ると路上温度が33℃と表示されていた。この温度計は、以前ストリームの車外温度といつも一致していたので、信用できる。まさに猛暑。これだけ暑いと空気中の水蒸気も相当なもので、一度冷気と出会うと猛烈な雨になるのは、簡単な理屈だ。東北地方、とくに秋田県と岩手県でかつて経験したことのないような大雨というのは、この暑さのせいである。地球温暖化とか異常気象と言えばなんとなくわかったような気がするが、長い地球の歴史の中ではさまざまな変動があったはずである。自然の驚異というのは、文字どおり想像を絶したものに違いない。異常ではない、これが当たり前なのである。地球の本当の姿である。・・・とは言うものの、やはり、異常気象だと思いたい。そう思えば安心する。人間の認識力のいかにいい加減なものかということがわかるではないか。
高木貞治「ヒルベルト訪問記」
長岡半太郎「プランク先生の憶い出」
仁科芳雄「株式會社科學研究所の使命」
2013年8月10日。土曜日。晴れ。
朝から暑い日。最高に暑い。室内で35.5℃を越した。
日が落ちて、やや涼しくなった。珍しく星がくっきりと見えている。雲がなくどんどんと大地の熱が放射しているのだろう。
夜、友人が来てフィルムスキャナーを貸してくれる。古いフィルムをデジタル化するのだ。
「天皇の世紀」再び読み始める。最初から読むことにする。
ビデオで「秋日和」、「陪審員」見る。
2013年8月11日。日曜日。晴れ。
5時に起きて3000歩ほど歩く。朝は涼しい・
和辻哲郎「茸狩り」
ビデオで「お早よう」「ゴールデンアイ」見る。
2013年8月12日。月曜日。晴れ。
5時半に起きて2500歩ほど歩く。
ビデオで「コブラ」見る。
2013年8月13日。火曜日。晴れ。
6時前に起きて2700歩ほど歩く。
DVDで「もののけ姫」見る。
2013年8月14日。水曜日。晴れ。
6時10分に起きる。朝食を先にとって散歩。約2000歩。坂の街なので、家の影を歩くと涼しい。
午後買い物と、ミスドでコーヒー。
2013年8月15日。木曜日。晴れ。
朝から高速バスで広島へ。不動院で降りて、中学時代の恩師を訪ねる。広島の川縁はやや涼しい。タクシーで県立美術館へ行きゴッホ展を見る。
朝から多くの人で賑わっているので驚く。館内はよく冷房が効いていて快適。
展示内容が丁寧でゴッホの研鑽ぶりがよくわかった。
帰りは事故による迂回、ラッシュの渋滞で遅くなった。
9時に寝る。
2013年8月16日。金曜日。晴れ。
3時に起きる。涼しい風が吹いている。例年通りお盆を過ぎると夜が涼しくなったのだろうか。
5時半から約3000歩歩く。それから締め切りの近づいた書類を完成させて投函する。
午後、井原のジーパン屋を経由して因島へ。植木、果樹への水遣り。松が二本枯れかけている。先週は大丈夫だったのに・・・。ショック。やはりこれだけの猛暑と無雨。油断していた。手遅れかも知れないが、できるだけのことはしよう。
12時に寝る。
2013年8月17日。土曜日。晴れ。
4時に起きる。涼しい風が吹いている。2000歩歩く。
帰省していた二女が7時前の列車で、出発。駅へ送る。
これで実質我が家のお盆は終わる。
そして再び寝る。10時に起きて因島へ。
水遣りの続き。暑さがこたえる。
帰りに山陽道のトンネルでタイヤが落ちていた。大事故になるところだった。直前にバリバリとプラスチックの部品を踏んだような音がしたので、注意して避けることができた。もう少し中央にタイヤがあったら危なかった。
古いフィルムをデジタル化していたら、若い頃勤めていた高校の遠足の写真があった。死ぬ前に同窓会に寄贈しておくのがいいかな、などとふと思った。夜、帰ってみると、その頃一緒に勤めていた人から残暑お見舞いの葉書が来ていた。古い写真をポストカードに印刷するのもいいかなと、思った。
9時に寝る。
2013年8月18日。日曜日。晴れ。
3時半に起きる。やはり涼しい風が吹いている。夕凪亭は窓を閉めていたので28℃。それでも涼しい。
暗いうちに歩く。晴れていて星がよく見える。とはいえ街灯明かりで明るい星しか見えない。南東の空にひときわ明るく見えるのが木星だろう。その隣りにオリオン座のペテルギウス、リゲルが目立つ。土星、水星は見えない。
2000歩歩く。それだけで汗が流れる。風が凪いだせいだろう。シャワーを浴びると明るくなり、もう星は見えない。明るくなる直前に水星を捜せばいいのだろうが、むずかしい。
午後、「男はつらいよ 寅次郎頑張れ」と「花咲く港」を見ながら、フィルムスキャナー。夕方、宅急便を出しにゆく。
フィルムスキャナーに溺れて生活ががたがたになった。お盆も過ぎたことだし、元の生活に戻したい。読書も減った。目標の再設定が必要だ。とりあえず、「天皇の世紀」と「痛快 世界の冒険文学」を柱として、「消し読み」のほうを従としよう。
「天皇の世紀」、やっと序の巻二まで。天皇家を支える公卿たちの窮乏ぶりが記されている。ある意味では革命である明治維新が、古い体制にあえぐ人たちの手助けがあったことがわかる。微禄ながらも家禄が支給されるのであるから、公卿も今でいえば公務員である。いつの時代にも公務員は貧しいものである。そうかといってそれを止めても、どこにでも商機があるというものでもない。そうは言っても年金制度の充実を挙げる人がいるかもしれない。でも、これも極めて政治的なものではなかろうか。ついこの前まで、官僚上がりの政治家が多かったが、最近は随分と減ったように思う。そのへんの事情が年金制度の変化に影響しているのだろう。
夜になっても風が吹かない。暑い。
8時に眠くなって寝る。
2013年8月19日。月曜日。晴れ。
1時に眼が覚める。暑い。エアコンは27℃に設定してある。風が吹いていない。外も暑いようだ。
4時前に眠くなるので再び寝る。7時前に起きて朝食。すぐに因島へ。
老母を病院へ。植木の剪定と水遣り。それに片づけ。古い物をどんどんと捨てていく。過去との訣別である。
「天皇の世紀一」、序の巻三を読む。明治天皇誕生とその周囲の動きが描かれる。陰陽道をはじめとする、古いしきたりのオンパレード。それぞれの些事をお金に換算すれば、膨大なものになるであろう。こういう禁裏のしきたりも、軍隊と同じで国家財政の損失に違いない。陰陽道によって多くのことが決められるが、決める当の本人も信じていたのであろうか。ただ、難解で複雑な提言をすることによって家の存続が保たれるということが父子相伝で守り伝えられてきたのではなかろうか。現代から見れば無駄なことだ。
「天皇の世紀一」、外の風一を読む。吉田松陰、蘭学者たちと時代の閉塞の様が描かれる。シーボルト事件、渡辺崋山、高野長英について駆け足で見ていく。
10時半に寝る。
2013年8月20日。火曜日。晴れ。
3時に起きる。少し涼しい風が吹いている。雲が多い。
5時前に約3000歩散歩。星がかすかに見える。東のほうに木星。南東にオリオン。
午後、フィルムスキャナーをしながら「婦系図」を見る。
風呂上がりにストレッチをしていたらそのまま寝てしまう。8時前か。テレビのニュースの漫画雑誌の「当選者水増し」の表現はおかしい。後のところで言っていたように「当選者数水増し」で通すべきだっただろう。はじめは当選者を多く出してなぜ詐欺になるの?と疑問に思った。
青空文庫で
和辻哲郎「京の四季」
和辻哲郎「樹の根」
牧野富太郎「風に飜へる梧桐の実」
太宰治「あさましきもの」
太宰治「朝」 など。
2013年8月21日。水曜日。晴れ。
1時半に起きる。
連日最高気温36℃。最低気温26℃。まるで熱帯地方だろう。最近秋も春も短い。
4時過ぎから散歩。満月は西に傾き、南東の空にはオリオン座と冬の大三角形。天頂にかけて、スバルも見える。木星と双子座もあざやか。
2800歩ほど歩く。シャワーを浴びて再び寝る。
午後はアニメ「家なき子レミ」(世界名作劇場・完結版)を見ながらフィルムスキャン。
「天皇の世紀一」、外の風二。フェートン号事件。そしてその前のロシアのレザノフの長崎入港と北方狼藉。
B.オルツィ原作、山崎洋子文「紅はこべ」(講談社・痛快世界の冒険文学14)終わる。
青空文庫で、
長岡半太郎「物理學革新の一つの尖端」
長岡半太郎「大阪といふところ」
吉川英治「脚」 など。
10時半に寝る。
2013年8月22日。木曜日。晴れ。
5時半に起きて、ゴミを出し、それから散歩。2700歩。
夕方雲が出てやや気温が下がるがでも暑い。
「天皇の世紀一」、外の風三。中国に対するイギリス側の交渉。アヘン戦争に先立つ40年前の清朝の閉鎖性とその官僚の巧妙な拒絶が面白く記述される。
他に青空文庫で
仁科芳雄「國際學術會議への旅」
仁科芳雄「國民の人格向上と科學技術」
仁科芳雄「ユネスコと科學」
泉鏡花「雨ばけ」
ビデオで「燃えよドラゴン」見る。
夜8時頃寝る。
2013年8月23日。金曜日。晴れ。夜雨。
2時に起きる。
4時から3000歩歩く。星がよく見える。
日中は暑い。夜、雨が降る。久し振りの雨。
午後、フィルムスキャンをしながら、「愛の若草物語」「バレエ くるみ割り人形」を見る。
「天皇の世紀一」、外の風四。アヘン戦争序曲である。イギリスの広東貿易監督官のチャールズ・エリオットが、アヘン追放の責任者、欽差大臣林則除を誤解するところからアヘン戦争に向かう。
他に、青空文庫で
仁科芳雄「日本再建と科學」
牧野富太郎「寒桜の話」
牧野富太郎「若き日の思い出」
牧野富太郎「ムジナモ発見物語り」
鈴木梅太郎「ヴィタミン研究の回顧」 など。
2013年8月24日。土曜日。雨。
激しい雨の中朝から因島へ。老母を歯科医院へ連れて行く。二ヶ月半ぶりに散髪。
午後少し止むが断続的に降る。時々激しく降る。
「天皇の世紀一」、外の風五。アヘン戦争。イギリスの横暴。中国の驕傲と無理解。
「天皇の世紀一」、外の風六。アヘン戦争の我が国への影響。一部の人にとっては他人事ではなかった。
後藤竜二文「真田十勇士 猿飛佐助」(講談社・痛快世界の冒険文学4)終わる。
2013年8月25日。日曜日。雨後曇り。
朝から激しい雨。午後になって止み、晴れる。夜、久し振りにエアコンを入れない。
フィルムスキャナーを使いながら「秘剣」見る。」
「天皇の世紀一」、先覚一、二。砲術家の高島秋帆。民間人にしてその研究ぶりは卓越している。まさに「先覚」である。しかし、頑迷な幕府には受け入れられない。幕府は滅ぶべくして滅んだのだということがわかる。古いしきたりが新しい時代の思想が起こるのを妨げる。官僚国家や英明でない君主のもとで起こりやすいことだ。これは鎖国だからというものでもない。今でも似たようなものだ。例えば、現行の六三三四年制の教育制度。既に破綻していることが見え見えなのに、変わらない。いや変えられないのだ。
青空文庫で、
齋藤茂吉「曼珠沙華」。
2013年8月26日。月曜日。雨後曇り午後晴れ。夜一時雨
6時に起きる。雨が降っている。昨夜の気象予報では福山は降らないようになっていたが・・。1時間ほど降って止む。涼しい風が吹く。秋の気配。このような気候が三ヶ月も続けば快適であるが・・・。夕方郵便局経由で2500歩ほど散歩。夜、一雨降る。
フィルムスキャナーで手持ちのフィルムファイル分のをデジタル化して終わる。もっとあったはずである。古い荷物を整理して捜すことにする。早速二本出てきたが、後の見通しは暗い。
「天皇の世紀一」、先覚三、四。開国の要求は高まる。琉球だけ貿易を認めて、体面をつくろうというのが薩摩藩主父子の意見で、それに阿部正弘が従う。徳川斉昭は尊皇攘夷の本家ぶりを発揮して反対する。先覚とは言い条、島津父子のこの時点での判断は未来を開くものではない。
他に、青空文庫で牧野富太郎「火の玉を見たこと」など。
2013年8月27日。火曜日。晴れ。
爽やかな朝。少し寒いぐらい。日中やや暑くなるものの、何とかエアコンを入れずにすます。午後、整体。フィルムスキャンはスライドに入る。
「天皇の世紀一」、黒船渡来一(p.340まで)。突然やってきたのではない。既に何度も予告されていたことである。ただ、何も対策をとっていなかっただけである。むしろ、先覚者たちに対しては反動的ともいえるのが幕府の態度であった。この時点までにおける阿部正弘も、特別開明的であったわけではない。徳川斉昭の攘夷論も筋を通していることだけは立派だ。ただ、外国の事情を知っておれば、もっと深い議論ができたのではないか。敵の情勢を知らずに戦えといっても、それは無謀である。孫子の兵法は水戸藩では読まれなかったのであろうか。伝わってなかったことはあるまい。武田信玄の風林火山の旗は孫子四如の旗と呼ばれるように既にこの頃から孫子の兵法は伝わっていたのではないか。ならば、敵を知ると言うことは最も基本的な孫子兵法の要諦であろう。
他に青空文庫で、
折口信夫「民族の感歎」
宇野浩二「茂吉の一面」
矢内原忠雄「読書と著書」
和辻哲郎「享楽人」「埋もれた日本」など。
2013年8月28日。水曜日。晴れ。
六時に起きる。今朝もやや寒い感じ。朝食後散歩。約2000歩。九時に買い物。
「天皇の世紀一」、黒船渡来一。ペリー提督の回想録の翻訳より、久里浜の海岸での会見が記される。その後江戸湾の測量をするボートと庶民の交渉がおもしろい。庶民は歓迎交歓するのである。事務的に親書を受け取るだけで、無駄話をしないのは役人だけである。
久里浜は三浦半島の先端で、かつて上京したおり、響堂新君を訪ねて津久井浜へ行き、観音崎に案内してもらった帰りに通ったところ。三浦海岸は海の色と海岸の砂が黒く、波も雄大で瀬戸内海ばかり見ている私には異様なものに思えた。そしてその先はアメリカなのだと改めて思った。
他に青空文庫で、
新美南吉「丘の銅像」
桑木厳翼「春水と三馬」
岸田国士「『にんじん』とルナアルについて」「博物誌 あとがき」
正宗白鳥「見て過ぎた女」「軽井沢にて」「見學」 など。
秋風のはや入りけり夕凪亭
2013年8月29日。木曜日。曇り。夜小雨。
7時前に散歩。約2000歩。涼しい。
午後エアコンを入れる。
「天皇の世紀一」、黒船渡来二。ペリーが親書を置いて帰った。老中首座の阿部正弘の苦渋の策。諸藩の藩主の意見を聞く。衆議制の嚆矢として評価するか、あるいは幕府に決断能力がなかったことを示した情けない姿だと言うか、評価の分かれるところ。それに徳川斉昭の謹慎解除と幕政への参加の要請がある。これも考えてみればおかしいことである。
午後フィルムスキャン。ローマ、ナポリ、ポンペイのスライドまで
2013年8月30日。金曜日。曇り後雨。
5時に起きる。6時過ぎに散歩。約2000歩。蒸し暑い。朝からエアコン入れる。昼前から雨。後、降ったり止んだり。台風が接近。
フィルムスキャナーはパリまで終わった。ローマで買って安物のスライドは40枚ほど残ったが、一応終わり。新たに出てきた長崎のフィルム二本ををデジタル化した。島原城の公園の片隅に「まぼろしの邪馬台国」の宮崎康平さんの碑があった。博物誌のミのところにリンクを貼っておいた。「まぼろしの邪馬台国」は当時出版された「岩宿の発見」などとともに高校の時読んだ。その後古事記にも日本書紀にも目を通したが、私には邪馬台国が九州にあったとは思えない。それから、島原地方の子守唄の歌詞が他国の民謡と似ているとの指摘もある。宮崎さんが作詞者であるかどうかの判定は公的機関がすることで、私が決めることではない。
岡山市が建設しようとしているコンベンショナルホールについて今日の中国新聞が報じている。例の林原駐車場の跡地である。先日通ったとき、地下通路は雨の中便利であったが、人は少なかった。駅の近くでよいところではある。しかし、40億近くのお金を出して作っても、頻繁に使われるとは思わない。確かに岡山駅は東西南北の線路が乗り入れ、また瀬戸大橋で四国で繋がっており、岡山市は中国地方では交通の結節点であることに間違いはない。しかし、そのことと岡山市に人が集まるということは別の問題である。だいいち、瀬戸大橋を経て岡山を通る人と言っても四国の全てではなく、香川県の人が中心だろう。他の県では、それぞれ飛行機を使ったほうがはるかに便利である。それに岡山駅に入るJR各線の周辺人口も知れている。財政的に豊かで有れば、大型施設を作るのもよいだろう。しかし、そのようには見えない。無駄な投資をして赤字を残すことにならなければよいが・・・。
「天皇の世紀一」、黒船渡来三(p.166まで)。既にこの頃から沖縄は米軍にとって要衝の地なのである。
他に、林不忘「仇討たれ戯作」など。
2013年8月31日。土曜日。雨時々曇り。
しばしば雨。台風15号は午前3時頃に温帯性低気圧になり消滅。しかし、雨模様は変わらず。
雨の中を山陽道経由で因島へ老母を歯科医院へ連れて行く。
古い雑誌、書類の整理・処分。
古手帖拙き文字の過ぎし日を切り捨てていく八月の雨
今年80冊目。
真壁昭夫著「日の丸家電の命運」(小学館101新書)。
今年81冊目。
F・デュ・ボアゴベイ原作、さとうまきこ文「鉄仮面」(講談社・痛快世界の冒険文学5)。
今年82冊目。
B.オルツィ原作、山崎洋子文「紅はこべ」(講談社・痛快世界の冒険文学14)。
今年83冊目。
後藤竜二文「真田十勇士 猿飛佐助」(講談社・痛快世界の冒険文学4)
映画等
今年3本目。
「秋日和」
今年4本目。
「陪審員」
今年5本目。
「お早よう」
今年6本目。
「ゴールデンアイ」
今年7本目。
「コブラ」
今年8本目。
「もののけ姫」
今年9本目。
「男はつらいよ 寅次郎頑張れ」
今年10本目。
「花咲く港」
今年11本目。
「婦系図」
今年12本目。
「家なき子レミ」(世界名作劇場・完結版)
今年13本目。
「燃えよドラゴン」
今年14本目。
「愛の若草物語」
今年15本目。
「バレエ くるみ割り人形」
今年16本目。
「秘剣」