生活単元理科の時代とはいつ頃を指すのであろうか。ここでは、小学校、中学校について、生活単元理科はいつの時代をいうのか考察する。
寺川智祐が指摘しているように、昭和22年の小学校・中学校学習指導要領理科(試案)、昭和23年の高等学校学習指導要領理科(試案)・〔物理・化学・生物・地学〕すなわち、戦後の最初の小学校、中学校、高等学校の学習指導要領から、生活単元理科は始まった1)。 また、小学学習指導要領は昭和27年、中学校、高等学校学習指導要領は、昭和26年に改訂されたが、生活単元理科教育をさらに発展させたものである2)。
また、恩藤芳典によると、小学校では、昭和23年から昭和33年までが、生活単元学習理科の時代である3)。
次の学習指導要領の改訂は、昭和33年で、この小学校学習指導要領は昭和33年に告示された。3年間の移行期を経て昭和36年度より完全実施された4)。
板倉聖宣は、昭和25年から昭和27年が生活理科が普及して行く頃としてとらえ、1952年改訂版の『小学校学習指導要領・理科編(試案)』と同年の「中学校高等学校学習指導要領・理科編(試案)』で完成したと見なしている5)。
中学校では、昭和22年から昭和33年までの期間が生活単元理科の時代である6)。
新学制による小学校、中学校の発足は昭和22年(1947)4月1日であるから、生活単元理科はその年から始まったことになる。
引用・参考文献
1) 寺川智祐「各国の理科教育史」、学校理科研究会編、『現代理科教育学講座第3巻歴史編』、 明治図書、1986、p.57
2) 上掲書1) 、p.58
3) 恩藤芳典、「日本の学校教育における理科教育内容の推移」、学校理科研究会編、『現代理科教育学講座第2巻内容編』、明治図書、1986、pp.22-24
4) 寺川智祐編、『理科教育学』、福村出版、1990、p.198
5) 板倉聖宣、『日本理科教育史』、第一法規、1968、p.403