2019年7月15日月曜日

夕凪亭閑話 2013年3月

 
2013年3月1日。金曜日。雨。
3月になった。少し暖かくなって春めいてきた。残り、19日。
 
2013年3月2日。土曜日。
残り12日となった。3時半に起きる。少し乱読。自分の流儀で活字を追うしかないのだ。わからないことのほうが多いのだ。わかるものだけ読んでいれば楽だろうが、それではおもしろくはない。
 
2013年3月3日。日曜日。晴れ。
よいお天気。午後1時間ほど散歩。夜、送別会。
 
2013年3月4日。月曜日。晴れ。
午後、休暇。因島へ。因島では少し雨が降る。向島では降っていない。
 
2013年3月5日。火曜日。晴れ。
午後、休暇。試験の採点。終わる。
 
2013年3月6日。水曜日。晴れ。
急に暖かくなる。
 
2013年3月7日。木曜日。晴れ。
今日も暖かい。卒業式。
 
2013年3月8日。金曜日。晴れ。
すごい陽気。午後休暇。因島へ。
 
2013年3月9日。土曜日。晴れ。
異常に暖かい。午前中買い物。
午後、ホームセンターへ。LEDの古いのを安売りしていたので買って帰る。ライトは明るいが、照らされているところがやや暗い。消費電力が小さいのだから仕方がないか。
昨夜録画したNHKスペシャル「3・11あの日から2年 我が子へ~大川小学校 遺族たちの2年~」を見る。これでは、震災最大の学校悲劇の検証が何もなされていないということが伝わらないではないか。とはいえ、これがNHKの限界かも。被害が最大の小学校だということを全国に知らしめたということだけで、いいと思うしかない。
2013年3月10日。日曜日。晴れ。一時雨。風。
朝から変なお天気。6時に起きる。
「悪霊下」先が見えてきた。
雨が降る前に歩く。小雨。草刈りをしていたので、途中で引き返す。
午後も散歩。
吉村昭「履歴書の代わりに」(河出書房新社)を終わる。
 
2013年3月11日。月曜日。晴れ。
今日は少し寒く,朝氷点下になったようだ。しかし、気温は低いものの良いお天気で、日差しはきつい。
東日本大震災から二年目。午後テレビを見て、初めて見た映像に津波の恐ろしさを改めて感じた。 
 
2013年3月12日。火曜日。晴れ。
今日から短縮。残り一週間。
 
2013年3月13日。水曜日。晴れ。
内科通院。
 
2013年3月14日。木曜日。晴れ。
最後の会議につき、午後休暇の予定を変更。
 
2013年3月15日。金曜日。晴れ。
午後休暇。因島。散髪。
吉村昭対談集「時代の声、歴史の声」(河出書房新社)終わる。
 
2013年3月16日。土曜日。晴れ。
午前中買い物、さくら眼科通院。
澤井康生著「『捜査本部』というすごい仕組み」(マイナビ新書)終わる。
午後散歩。
 
2013年3月17日。日曜日。晴れ。
岡山高島屋で「松井浩之作陶展」見る。
午後散歩。
夕方から小雨。
 
2013年3月18日。月曜日。雨。
5限最後の授業。もう二度と教壇に立つことはないと思う。
ドストエフスキー著、米川正夫訳「悪霊下」(河出書房新社・全集10)やっと終わった。これで文学全集か文庫で出ている翻訳はすべて読んだのではないかと思う。残りの短編と評論・日記・書簡は、米川訳や小沼訳の個人全集で読むことにする。なお米川訳の全集10には、「悪霊 創作ノート」がまだ残っている。
 
2013年3月19日。火曜日。晴れ。
退任式。午後、最終講義ということで関係者に最後の講話(60分)。夜、送別会。荷物をすべてもって帰る。残りは年休とする。
 
2013年3月20日。水曜日。春分の日。曇り後雨。
朝、次女関東に帰る。駅まで送る。散歩。途中で雨。午後因島。
モリエール作、鈴木力衛訳「飛び医者」(筑摩古典世界文学33)読む。
 
2013年3月21日。木曜日。晴れ。
燃えるゴミの日。人生の整理のごとくごみの山去れよ去れよと春の日の朝。
午後、芦田町の市立動物園へ孫を連れて行く。気温はまだ低いが、いたるところに春の花が咲いていて楽しい。入場ゲートのすぐ右に赤土の崖がむき出しになっていた。
 
谷川健一著「日本の地名」(岩波新書)には次のように書かれている。
p.163 各地にある品治郷(ほむじごう)と葦田郷とはふしぎにとなりあわせに存在しているケースが多い。「和名抄」によると,備後の葦田郡には葦田郷があった。また品治郡には品治郷があった。この葦田郡と品治郡とは隣接しており、のち葦品郡に合併されている(現在は広島県の東部地方である) 1898年(明治31年)10月1日
p.164 品遅部(ほむぢべ)はホムツワケを御名代として設けられた部民を統轄する氏族である。その品遅部の居住地が品遅(治)郷であったと考えられる。
p.168 天目一箇神(あめのまひとつのかみ)の後裔である水沢の葦田首は水銀採掘に関わりがあったと見られる。あるいは葦田首と深い縁のある品遅部も参加していたと推定される。
動物園のある芦田町の南は備後赤坂である。このあたりも古代の水銀産地だった可能性は多いにあると思う。
 
2013年3月22日。金曜日。晴れ。夜、雨。
午前中読書と整理。
岩波全書の「数学公式Ⅰ Ⅱ Ⅲ」は堅牢な製本で重宝している。この年になると高校以来の証明をせずに公式を使うときの後ろめたさからやっと解放されたように思う。
午後、外出。郵便局。ユニクロ。1ヶ月点検。買い物。いろいろと多忙だ。帰って曇り空の下、散歩。桜花小さく咲きてしたがえし大きな蕾雲を背にして。6707歩。
 
2013年3月23日。土曜日。晴れ。
桜の蕾がどんどん大きくなる。一部が咲いている。冬が早く来たので、春も早く来た。こういう年は夏が暑い。冬の寒さも嫌だが夏の暑さも嫌である。水の中の生物に生まれてくればよかった、などと思う。
午前中買い物。午後、散歩。そして、昼寝。
塩見孝也著「赤軍派始末記 改訂版」(彩流社)を読む。連合赤軍の話である。自分にとっては当たり前の話だと思っても、2,3才若い人になるともう何の話かわからなくなる。そういう過去の話である。ついついオウム事件と比較してしまう。
今から振り返れば理解に苦しむ。私よりも上の世代の人たちの話であり、かねてより畏敬の世代である。団塊の世代である。逞しく戦後の不十分な環境で育った世代である。徐々に世の中が落ちつき教育環境が整うとともに、勉強しかしなくなった子供が増えたのは事実である。だから、もっと後の世代のことならわかるが、あの学生運動の結果は、もちろん一部の結果だけだが、肯定しがたいし、また理解に苦しむ。
もう一つ、対警察への備えのお粗末さが、特にオウム事件に比べて目につく。これはあの時代の情報の少なさから考えれば、比較するほうが無理というものだろうか。オウムの時代になると良書悪書の出版物が増え、警察活動の多くが国民周知のこととなっていたのだから、あれだけのことができたのである。
 
2013年3月24日。日曜日。晴れ。
午前中散歩。桜が日々開いていく。鶯のさえずり渡る谷間にも赤土道に苔は生えたり。
午後、因島へ。芸予文化情報センターでコピライターの村上美香さんとまちづくりコーディネイターの内海慎一さんの対談を聞く。町おこし若者集う春の午後。
もくれんの白き花咲く公園に子らは遊びて春の日暮れる
佐々木俊尚「キュレーションの時代」(ちくま新書)を読んでいると、いつの間にか情報社会が変質していることを知る。と言っても当たり前なことなのだが、情報量が多くなればなるほど個人のかかわる範囲は狭まるようになる。絶対的にはともかく相対的にははるかに。ということは共通の情報を欲している人が極端に減ってくるということだ。
一昨日、岩波全書の数学公式について書いたが、もう一冊愛用しているのがマグロウヒルズ大学演習シリーズのものだ。スピーゲル著、氏家勝巳訳「数学公式・数表ハンドブック」(マグロウヒル)だ。これは大判だし、活字も大きくて使いやすい。
 
2013年3月25日。月曜日。晴れ。
5154歩。
朝、ゴミを出してからラジオ体操。第一と第二。ユーチューブの録画にあわせる。
日課としたい。とは言えゴミの日というのは限られるが。
夕凪亭を片付けながらの読書。
図書館の本の貸し出し期限が切れていたので、返却に行ってきました。歩いて20分ほどでしょうか。往復40分は少しきついかな、と思い今日は車で行きました。ドアで手をつめたり足をはさんだりと、今日はいつもと置く位置が違ったのであるが、やはり老化がどんどん進んでいるという証拠でしょう。
先日来の風邪がよくなるどころか、だんだんひどくなるようなので、夕食後、近くの内科医院へ行って薬をもらってくる。こちらも年々体力や免疫力の低下が起こっていることは明らか。
入浴後、ラジオ体操。やっと1日2回の通常モードへ戻りました。家にいるときは昼間も入れて3回にしたいものです。
数学公式集ではないが、マジナウ・マーフィ著「物理と化学のための数学 Ⅰ、Ⅱ」(共立全書)というのも重宝しております。小さな本ながら、記述が丁寧で内容が豊富というお買い得品です。
 
2013年3月26日。火曜日。晴れ。
風邪気味。晴れているのに寝てばっかりです。ご飯を食べて薬を飲むと眠くなるというこれまでに経験したことのない症状です。
 
2013日3月27日。水曜日。雨。
朝から雨です。今日は資源ゴミの日。空き缶とガラス瓶の類を出す。そしてやはり眠くなる。すこしずつ体調は戻っているようです。
午後因島。雨に煙り橋からはほとんど見えない。
 
 
2013日3月28日。木曜日。晴れ。
気温も上がった。桜の蕾が赤く染まって開花を待っている。鶯も雉も鳴くなり春霞野山の姿いかにあるらん。
吉村昭著「ひとり旅」(文藝春秋)終わる。
たいしたことはしていないのに、読書量が減った。危険信号。
 
2013日3月29日。金曜日。晴れ。
今日が3月最後の平日。ということで、勤務校に行き、職員証を返却し、退職辞令を受け取る。辞令では3月31日で退職ということになっているが、実質は今日で退職ということになる。
体調が戻ったせいか、あまり眠らず、まずまずの生活であった。散歩をすると、桜が一段と開き、明日明後日と花見が盛り上がることだろうと予想される。気温も上がり、汗ばむほど。
 
2013年3月30日。土曜日。晴れ。
どんどんと桜が咲いていく。近くには大小いくつかの公園があるが、そのうちのひとつは毎年この時期になると提灯に電灯が灯され、その下でバーベキューをする人たちで賑あう。隣の公園は提灯はつけられなくとも、街灯の明かりで、十分楽しめる。
朝、「杭谷一東彫刻展遊YOU」を世羅町へ見に行く。今日松江道は開通だが、尾道道はもう2年待たないといけないが、世羅町までなら開通しているので、それを利用。あっという間に着くので便利である。屋内外にたくさんの作品が展示されていて壮観である。4月7日まで。目標は世羅町役場。
午後帰って、夕方散歩。
 
2013年3月31日。日曜日。晴れ。
いよいよ2012年度が終わりです。そして、本日をもって、完全退職です。民間企業1年、岡山県立高校11年、そして福山での25年、合計37年の勤務に終止符を打ちます。今日は、岡山で花見の会。といってもみんな老人になっているので屋内での会。岡山駅西口の奉還町商店街の傍に第二ニシキ館という映画館があって、かつてよく行ったものです。「帰らざる日々」(若き日の永島敏行さんが主演)やトラック野郎シリーズもここで見ました。その映画館の中が改装されて「RYOUTEI」というお食事どころになっていて、そこが会場でした。岡山駅西口付近は独身の3年と結婚後半年ほど住んでいた青春の地です。思い出の地で、記念の日を送れたのはよかったと思っています。
田中美知太郎他訳「プラトン全集1」(岩波書店)の解説が残っていたので、読んで二階にもって上がることにします。
 
 
今年19冊目。
吉村昭著「履歴書の代わりに」(河出書房新社)。
今年20冊目。
吉村昭対談集「時代の声、歴史の声」(河出書房新社)。
今年21冊目。
澤井康生著「『捜査本部』というすごい仕組み」。(マイナビ新書)。
今年22冊目。
塩見孝也著「赤軍派始末記 改訂版」(彩流社)。
今年23冊目。
吉村昭著「ひとり旅」(文藝春秋)。
今年23冊目。
田中美知太郎他訳「プラトン全集1」(岩波書店)。