2014年10月1日。水曜日。晴れ。
潮騒荘にて。午前中、少し畑の草取り。暑くなってやめる。季節は秋になっても草の成長の勢いはいっこうにおとろえない。ちょっと手を抜くとあっという間に大きくなっている。
午後、風があり窓を閉めてから昼寝。夕方、福山へ。
10月になった。新幹線開業50周年だそうである。我々の生活を便利で快適にする多くのものが発達してきたが、たいていは負の面も多かった。そんな中で新幹線だけは衝突事故もなく順調に発展してきたし、その与えた影響も大きかった。ただ騒音問題だけはあまり声だかに叫ばれないが大きな課題ではないかと思う。さっと通過するところはもとより駅に入ってくるときのあのガラガラという騒音はおそらく今も解決していない問題だろう。
吉川英治「日本名婦伝 静御前」「同 細川ガラシヤ夫人」など。
2014年10月2日。木曜日。晴れ時々曇り。一時雨。
朝、散歩をしようとしたら雨になったので止める。その後晴れたり曇ったり。午後、図書館に行って「ドクトル・ジバゴ」を借りてくる。映画をはじめに見たのは高校の時。その後、何度も見ているのに、鮮明に残っているのは高校の時に見た印象。冒頭の母親の埋葬と強風の吹く夜の光景は鮮烈だった。しばらく見ていないのでDVDを見たくなった。夜、久しぶりの強い雨。
吉川英治「日本名婦伝 大楠公夫人」など。
2014年10月3日。金曜日。曇り後晴れ。
午前中は曇ってやや肌寒い感じだったが、午後晴れ間が多くなり、気温も上がった。しかし、すぐに昼寝にはいったので、どの程度まで気温が上がったのか覚えていない。
吉川英治「日本名婦伝 太閤夫人」、夢野久作「いなか、の、じけん」など。
2014年10月4日。土曜日。晴れ時々曇り。一時小雨。
台風18号の影響で変な天気。時々小雨らしきものが降るがまとまった雨にはならない。風が少しある。まだ台風は遠いのに今からこれでは接近したら大変だろうと思う。
昼前に、潮騒荘に。さっそく簾を外す。もうシーズン的にもいいだろう。台風の接近に合わせて撤去するのがよいだろう。草取りを少し。夜になって風はやんだが。気温は低い。
2014年10月5日。日曜日。晴れ時々曇り。一時雨。
台風の動きがよくわからない。近づいて来ているのに、昨日ほども風が吹かない。どう解釈すればよいのだろうか。昼頃になって少し吹き出したが、しかし取るに足らぬ。でも、風が強くなっては困るので、昼過ぎに出て夕凪亭へ。夜激しく雨が降る。
2014年10月6日。月曜日。晴れ。
台風一過。晴れ間に白い雲。今日は夕凪亭でごろごろ。朝のうちは窓側の白いテーブルでMacを打つ。といっても特別の仕事をしている訳ではない。語学の参考書を打ち込む。以前打ち込んだところを書き換えたりして、少しずつ修正する。そのうち眠くなるので寝る。台風は思ったよりも遠く影響はなかった。しかし、つぎの19号がまたやってきそうである。夜が寒い。秋は思ったよりも短いかもしれない。
吉川英治「日本名婦伝 谷干城夫人」、岡本綺堂「鳥辺山心中」など。
2014年10月7日。火曜日。晴れ。
夕刻、潮騒荘へ。煌煌とした満月。久しぶりによく晴れて、星も満月にしてはよく見える。
ノーベル物理学賞を青色発光ダイオードを発明した赤崎、天野、中村の3博士が受賞された。その労苦、その恩恵、他の分野と格段に違う。まことにお目出度い。
岡本綺堂「心中浪華の春雨」、吉川英治「剣の四君子 柳生石舟斎」など。
2014年10月8日。水曜日。晴れ。
因島・潮騒荘にて。6時半に起きる。やや涼しすぎる。8時過ぎから草取りと剪定を少し。
夕方、福山へ。18時前に因島大橋を通過。月食前の満月が大きく見える。向島からも。福山インターのあたりで欠け始めた。珍しく雲がなくよく見える。しかし完全に欠けた19時24分に見ると、何と、波打った雲の海。赤い月は肉眼では見られなかった。再び光が戻ってくるころにはまた雲がなくなった。何という悪いタイミング。
吉川英治「剣の四君子 林崎甚助」など。
2014年10月9日。木曜日。晴れ。一時雨。
朝、歯科医院へ。半年ごとの定期検診。終わったら、予報外の雨。図書館へ寄ってから買い物へ。全体的に高くなった印象。
午後、寒いので毛布を出してソファの上で昼寝。
因島の一本松からフラワーセンターまでの道が「伝六ライン」と命名され看板をつけたと、今朝の中国新聞が伝えている。昨日見てきたものの正体だ。
吉川英治「剣の四君子 高橋泥舟」、岡本綺堂「箕輪心中」など。
2014年10月10日。金曜日。晴れ。
少し気温が上がった。残暑を思わせるほどの陽気。内科医院へ定期通院。
午後、潮騒荘へ。少し風がでてきた。台風19号の影響だろう。紫外線を強く受けたせいか8時過ぎには眠くなる。
大町桂月「南洲留魂祠」など。
2014年10月11日。土曜日。晴れ。
因島・潮騒荘にて。5時過ぎに起きる。午前中、畑の整理。午後、三庄へ。帰りは島の東側の水軍スカイラインを通って帰ろうと思ったが、曇っているのでやめた。また、次回にしよう。
ノーベル平和賞を史上最年少の少女が受賞したという大きな話題で今年のノーベル賞騒ぎが一段落しそうである。しかし、平和賞では日本国憲法が受賞しなかったのが少し残念である。文学賞では、春樹さんは嫌いではないので、受賞しても悪くないといつも思っているが、眉唾臭いノーベル文学賞を受賞しないほうが、なぜか好感がもてる。そのなんとも言いがたい気持ちは、日本人として最初に川端さんが受賞したしたのが原因にあるように思われる。川端さんの作品は私の感想ではノーベル賞を受賞したから読まれなくなったのではないかと思う。ノーベル賞を受賞してなければ、今でも、日本の個性ある作家として少しは読まれているはずである。・・・それはともかくとして、谷崎潤一郎さんが生きておれば確実に受賞したところが、亡くなられたから川端さんに廻ってきたのだろう。しかし、これが間違いで、やはり三島由紀夫さんへいくべきだったと、私は今でも思う。
川端さんがノーベル賞を受賞されたのは、私が高校2年の秋だった。古い篋底に見つけた、翌年3月1日発行の図書館便り「ライブラリー」に特集があって、国語の教師の解説と、同級生による「古都」の読書会と「雪国」の感想が書いてある。当時の熱気のようなものが伝わってくるし、その後も何冊か読んだのだが、ある時期から、私にはまったくつまらなくなった。
谷崎潤一郎「騏驎」、森本和夫「生きているサルトル」(『理想』1980.8.)など。
2014年10月12日。日曜日。晴れ。夜雨。
潮騒荘にて。昨夜935、今朝955。昼前から960。台風19号の気圧である。急激に勢力は低下している。もう十分気温は下がっている。海水の蒸発もほどほどになっているに違いない。並の、あるいはそれ以下の台風になって接近してほしいものだ。
昼過ぎにやや風のある因島大橋を渡って、潮騒荘から夕凪亭へ。台風は勢力が衰えず九州に接近。
夜、雨が少し降る。風は強い。
吉川英治「剣の四君子 小野忠明」、谷崎潤一郎「少年」、松浪信三郎「サルトルの死生観」(『理想』1980.8.)など。
2014年10月13日。月曜日。雨。
台風19号の強い風が一日中吹き荒れた。19時頃と徳島を通過し980hPa、時速50km/hの速度で通過するころから風は急激に収まった。どうやら、大きな被害はなかったようだ。これで今年の台風はおしまいにしてほしい。
謡曲「養老」、旧約聖書「レビ記」など。
2014年10月14日。火曜日。晴れ。
台風一過。よく晴れているが、8時前に歩くやや寒い。
日中は照ったり曇ったり。午後、昼寝。夕方から潮騒荘。日が暮れると南西に、横になったさそり座。東のほうへカシオペアとペガスス。その先は白滝山があって見えない。南の下のほうであかるいのは、みなみのうおのフォーマルハウトだろう。天頂には天の川をはさんで夏の大三角形があるのだが、こころなしか元気がない名の通り夏の星座なのだろう。
いつのまにか、秋も深まり寒さを感じるようになった。
吉川英治「黒田如水」「平の将門」など。
2014年10月15日。水曜日。晴れ。
潮騒荘にて。6時半に起きる。寒いので布団の中で7時まで空海などを読む。8時過ぎから2時間ほど畑と庭の片付け。午後、昼寝。5時過ぎに出て、福山に。途中、ガソリンを入れて帰る。6時前から既に暗くなっている。福山も寒い。
中里介山「大菩薩峠08白根山の巻」など。これで、「大菩薩峠2」(ちくま文庫)を終わる。
2014年10月16日。木曜日。晴れ。
今朝も寒かった。6時頃眼がさめたが、昨日と同様、布団の中でパソコンで読む。といっても、今朝は福山。夜、眠くなるまで枕元で見ているので、朝もすぐに見ることができる。液晶の明かりで、電灯をつけなくても読めるのでよい。それに今のところ電池もよくもっているので、よいし、それになによりインターネットのケーブルがいらなくてよい。
朝、散歩と買い物。午後、BSで「沓掛時次郎 遊侠一匹」を見る。
謡曲「大典」「放生川」、三枝博音「啄木とデカルト命題」、宮沢賢治「風の又三郎」、島田荘司「吉敷竹史の肖像」など。
2014年10月17日。金曜日。晴れ。
本日、古文書講座。図書館に寄ってから行く。日暮れがが早いせいか図書館は人もまばら。
柳田国男「峠に関する二、三の考察」を読む。峠とは山を越えてゆくものだから、高いところのことだと思っていたが、「たお」という姓の人がいて、名簿にはない名前だと不思議に思っていたら、「峠」という字を書いて「たお」というのだと聞かされて、なぜ「峠」を「たお」と読むのかと不思議に思った。辞書で調べたら古代語で低いところを「たお」といい、鼻の窪みなども該当するとあった。だから、山を越える「峠」は高いという意味ではなく低いという意味だと理解できた。すなわち、私は峠道を横から見て高いところが峠だと思っていたが、そうではなくて正面から見て、山の低いところを峠と言うことがわかった。同じ山越えでも登る人の視線ならば低いところ、第三者の視点ならば高いところということだが、峠という言葉は当人の視線に基づく「たお」からきていて、これに「峠」という漢字を当てたことがわかる。ここのところを柳田さんは山の鞍部のことだと説明して、「たお」から派生した地名、人名などを記す。そこまでは、柳田さんなら当然のことで驚かないのだが、その先の考察にはまったく驚いた。峠には表と裏があるということ。峠道には川に沿う道と山の頂に沿う道があるということ。時とともに迂回し遠回りになるということ。まったく思いもしなかったことが書いてあった。柳田国男という人は単に情報収集力に突出していただけでなく、考察力も見事であったということを改めて思った。
2014年10月18日。土曜日。晴れ。
短い夏のあとの短い秋が終わって、このまま冬に突入するのかと思っていたら、おだやかな秋晴れが戻ってきた。朝から潮騒荘へ。午後、畑の整理と、松の剪定。
いよいよ東京ー名古屋間のリニア新幹線工事が着工することになった。完成する頃には、もし生きていても70代後半だから、乗りにいこうとは思わないが、工事の進捗状況が気になる。超伝導磁石は、今は液体ヘリウムだろうが、おそらく液体窒素で冷やすようになるのだろう。材料はどんどん開拓されるから、変わっていくことだろう。今後どんな物質が見つけられるか分からないから、まさに未来の技術である。
島田荘司「電車最中」、謡曲「老松」など。
2014年10月19日。日曜日。晴れ。
潮騒荘にて。柿の収穫と剪定。収穫といってもごくわずか。大半が虫食いによって熟柿になり食べられない。渋柿の熟柿はうまいが、甘柿の熟柿はまずい。去年も少なかったが、今年も不作。去年、剪定しようとして葉が落ちるのを待っているうちに寒くなってそのままになっていた。今年は思い切って実のあるうちから剪定をした。特に垂直に伸びた枝を落とす。柿の木は折れやすいので、登るのは禁物だが、脚立をいちいち移動させるのは面倒なので、途中からついつい木の上を移動。2mほどだから、落ちても死ぬことはないと思うが、やはり気持ちのよいものではない。
昼過ぎに福山へ。
2014年10月20日。月曜日。曇り。
朝、霧雨。その後曇り。いつもは日が差し込むので午前中は半ば以上閉めてあるカーテンをあける。窓側に置いてある白い机にはノートパソコンが2台置いてあるだけで広々していて気持ちがよい。普通の机、といっても60×120の手作りのものだが、キーボードが2つもあって、その周囲が、物置にかわる。必要悪ということでしばらくは、このままでよかろう。
午後、BSで「探偵物語」。
吉川英治 「私本太平記01あしかが帖」など。
2014年10月21日。火曜日。晴れ。
暖かい日。ほとんど眠っている。起きているときは、何かを読んでいる。午後BSで「夕陽に立つ保安官」を見る。どうして西部劇がこんなに多いのだろうかと、ふと思う。それ以前の歴史がないのだから、時代劇といえば西部劇なのだろう。
菊池寛「真田幸村」など。
2014年10月22日。水曜日。雨。
一日中雨。時折強く降る。午後二時頃少し小降りになったので、図書館へ。予約本2冊。棚の本3冊。
四時半に出て潮騒荘へ。途中はほとんど降っていなかったが、着いたら、また降り出した。しばらく小雨。
菊池寛「姉川合戦」など。
2014年10月23日。木曜日。晴れ。
潮騒荘にて。7時頃から畑に出て、枯れ枝の整理。
午後、昼寝。夕方昨年切った高野槙などを更に短く切る。快晴なれど最高気温20℃。なのにまだ、蚊がいる。防虫スプレーをかけていても寄ってくる。野生の力=しつこさ。少し、蜜柑の収穫。今年初。
夕方、福山へ。夜は、やや寒い。夜もよく晴れている。放射冷却だろう。久々に星が見える。オリオンが南東の空に登る。
菊池寛「厳島合戦」など。
2014年10月24日。金曜日。晴れ。
朝、7時半頃散歩すると、やや寒い感じ。そろそろ散歩の時間帯を変える頃かなと思う。9時前から買い物。週1回。2軒のスーパーを廻る。約1時間。
森本和夫「『金閣寺』をめぐって」、菊池寛「川中島合戦」など。
2014年10月25日。土曜日。晴れ。
今日は8時過ぎから散歩。少し日が照りだしてちょうどよい。
夕刻、潮騒荘へ。明朝の予定だったが、しまなみ街道が、目的地の先が、サイクリング大会のために午前中通行止めになるので、渋滞になると困るので、今日のうちに移動。
島田荘司「最後の一球」など。
2014年10月26日。日曜日。晴れ。
潮騒荘にて。午前中、畑の整理。午後、蜜柑を少し摘む。まだ蚊がいる。
菊池寛「桶狭間合戦」など。
2014年10月27日。月曜日。晴れ。
夜中に二度ほど激しい雨。朝には止んでいる。午前中、昨日に続き畑の片付け。午後、昼寝と読書。風が強く、やや寒い。夕刻、福山へ。Mac→テレビ出力ケーブル届く。設定完了。日本へエボラ入国か? その可能性は高い。どこまで制圧できるか。
島田荘司「灰の迷宮」(光文社文庫)など。
2014年10月28日。火曜日。晴れ。
日中は暖かかったが朝夕は増々寒くなる。午後、「君よ憤怒の河を渡れ」を見る。昨日のエボラ騒ぎは、エボラウイルス検出されずということで一件落着の様相だが、まだ安心してはいけないと思う。
島田荘司「鞆の叙事詩」など。
2014年10月29日。水曜日。晴れ。
本日は朝7時にタクシーで集合場所に出て、バスツアーに参加。若狭湾と越前大野城、永平寺の旅である。
今日は、若狭湾にある三方五湖レインボーライン、山頂庭園。三国温泉のホテルで、カニバイキング。小学校5、6年の頃切手収集ブームというのがあって、記念切手の中に国立公園シリーズとか国定公園シリーズとかあって、若狭湾国定公園というのがあった。それでこの地のことは知っていた。以前職場の小旅行で恐竜博物館、東尋坊、敦賀原発、天狗党の墓を案内したことはあるが、そこまでで、三方五湖のことは知らなかった。狭隘な海への出口のせいか、場所によって塩分濃度が異なり、淡水から汽水へとかわるまことに情趣に富んだ地形であった。日本海と三方五湖の両方が見下ろせる、約四百メートルの山頂公園の眺望のすばらしはいうまでもないが、眼を奪うのは、フェンス等のチェーンに掛けられた夥しい錠前の数々。何と、恋人の聖地とかに認定されていて、「誓いの鍵」ということらしい。
2014年10月30日。木曜日。晴れ。
二日目。越前大野城。勝山市の南。以前来た恐竜博物館が見えていた。城は小高い丘の上にある。下には城下町。条理制の京都のような町。いたるところに湧水がある。藩主隠居所跡、と家老宅跡を尋ねる。それから、永平寺。我が家の宗派は曹洞宗なのに、高野山や四国八十八か寺を廻っても永平寺には行くことなく、内心忸怩たるものがあったが、やっと来れた。門前町で昼食。土産物屋へ寄って帰る。
ヴァレリイ著、坂口安吾訳「ステファヌ・マラルメ」、菊池寛「田原坂合戦」など。
2014年10月31日。金曜日。曇り時々雨。
今日は朝散歩と買い物。それに図書館。午後、「黒い雨」を見る。20年ぶりぐらいか。原作は未だ、最後迄は読んでいない。鯉を釣っていて「アカハラ」というのが釣れたシーンがあった。イモリのことか?
菊池寛「長篠合戦」など。
今年51冊目。
中里介山「大菩薩峠2」(ちくま文庫)。
今年52冊目。
島田荘司「吉敷竹史の肖像」(光文社)。
今年53冊目。
島田荘司「灰の迷宮」(光文社文庫)。
映画等
今年36本目。
「沓掛時次郎 遊侠一匹」。
今年37本目。
「探偵物語」。
今年38本目。
「夕陽に立つ保安官」。
今年39本目。
「君よ憤怒の河を渡れ」。
今年40本目。
「黒い雨」。
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